【マンスリーリポート 観光の現場 31】盛り上がるか「国立公園」

  • 2019年8月1日

旅行各社が商品化やキャンペーン

 大手の旅行会社が相次いで「国立公園」に焦点を当てた旅行商品やキャンペーンを打ち出している。各社とも売れ行きは好調で、旅行の需要期である夏商戦を迎え、そうした取り組みに一層の力を込めている。

 政府が2016年3月末に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」では、日本の国立公園を体験・活用型の空間へと改善し、世界水準の「ナショナルパーク」へとブランド化する指針が示された。これを受けて環境省は「国立公園満喫プロジェクト」を推進しており、日本の国立公園の美しい景観と、滞在する魅力を世界に発信するため、賛同する企業や団体とパートナーシッププログラム「国立公園オフィシャルパートナー企業」を締結している。

 その国立公園オフィシャルパートナー企業となった旅行会社各社が取り組みに力を入れている。

 日本旅行は、国内旅行と海外旅行を共通のテーマで掘り下げる新シリーズ「行って観て感じる旅」を投入した。そのテーマの第1弾(4~10月)が「国立公園」だ。北海道、東北、九州、沖縄とアメリカの5方面で、合計15カ所の国立公園にスポットを当てた商品を販売している。国内では国立公園に滞在し、地元ならではの自然や伝統文化、食を体感できるオプショナルツアーを用意した。

 同社は「国立公園の知名度を高める。商品として展開することにより、旅行しやすくする」と企画した意図を語る。販売状況は「オフィシャルパートナーに選定されて以来、着実に成果が出ている。北海道を筆頭に売れており、4~10月設定の合計で目標人数の7割くらいまでに達している」という。

 東武トップツアーズでは、「北海道」「東北」「尾瀬」「栃木」「群馬」など、設定エリア内に国立公園を含むパンフレットに国立公園オフィシャルパートナーのロゴを表示するとともに、国立公園に関する情報を掲載している。

 特に尾瀬商品については、国立公園に全面的に焦点を当てており、ガイドブックとしても使用できるほど内容の濃いパンフレットを作成し、その魅力をアピールしている。同社は「10日現在で対前年135%と大変好調だ。もう少し気温が高くなれば、ますます伸びる」と手応えを感じている。

 旅行会社の中でもとりわけ注力しているのがJTBだ。国内旅行活性化を目的とした全社キャンペーン「日本の旬」で、19年度上期(4~9月)の対象を「国立公園」に設定した。これまで同キャンペーンは「瀬戸内・山陰」や「北関東」といったエリアが対象で、特定エリア以外を対象にするのは初の試み。全国8カ所の国立公園を中心にスポットを当て、「自然との共生が育んだ日本文化」をテーマにさまざまな魅力を訴求し、国立公園ならではの過ごし方を提案している。

 「12日現在、国立公園周辺の宿泊販売は、前年同期比106%と順調に推移している。オプショナルツアーの販売も、国立公園を五感で楽しめる『地元ガイドとあるく』シリーズで阿寒摩周国立公園や十和田八幡平国立公園が既に目標数に達するなど好評だ」と同社。

 親会社の全日本空輸(ANA)が国立公園オフィシャルパートナー企業となっているANAセールスも、国内旅行企画商品やウェブ限定商品で国立公園を含んだ周遊バスプランや個人参加型プランを設定した。具体的には「浅草~日光・鬼怒川エリア東武鉄道 往復乗車券・特急券付きプラン」や「ひがし北海道たっぷり満喫4日間の旅」などの商品をそろえた。

 同社は「今後は、国立公園の魅力を伝え認知向上、利用者拡大につながるようなコース設定を検討したり、訪日需要促進のためホームページ上での見せ方も検討していきたい」と意気込む。

 「お客さまのニーズと国立公園をうまく結び付け、夏の旅行先として定着するよう取り組んでいきたい」と日本旅行。各社とも夏期の販売で国立公園に関する取り組みを強化する。これまでは自然保護の意味合いが強かった国立公園。観光の目的地としてどれだけ人々に印象付けられるか注目される。

【取材班】

     
 
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