延べ観光客数は横ばいの4421万人
奈良県観光局インバウンド・宿泊戦略室がこのほど発表した「平成30年奈良県観光客動態調査報告書」によると、同年1~12月に奈良県を訪れた観光客の延べ人数は、前年比0.03%増の4421万人だった。観光消費額は9.6%増の1786億円。
観光客数の過去5年の推移を見ると、平成26年の3811万人に比べ、16.0%増、610万人増となり、堅調に伸ばしている。
月別の動向を見ると、6~8月は大阪府北部を震源とする地震や台風の影響で減少が見られたが、桜の開花時期が早まった3月や前年の台風による減少の反動増があった10月は前年を上回った。
エリア別の観光客数を見ると、最も多いのは橿原市や明日香村など県東部のCエリアで、0.7%増の1796万人だった。「山の辺の道」のにぎわいが続いたことなどが奏功した。次いで多かったのは奈良市などを含む県北部のAエリアで、1621万人。「平城宮跡歴史公園朱雀門ひろば」のオープンなどのトピックがあったものの、台風の影響などで1.1%減。「道の駅レスティ唐古・鍵」などのオープン効果があった県西部のBエリアは1.6%増の612万人。吉野町などを含む県南部のDエリアは、1.1%減の391万人だった。
観光入込客数(実人数、推計)は、6.9%増の2618万3千人回。内訳は宿泊客数が1.2%減の235万7千人回、日帰り客数は7.8%増の2382万6千人回。
来訪者の発地について見ると、日帰り観光客については74.4%が近畿圏からの来訪者となった。最も多いのは大阪府で34.4%。以下、奈良県内(18.0%)、兵庫県(8.7%)が続いた。宿泊観光客では関東圏が35.6%、中部圏が23.9%と多かった。最も多いのは東京都で14.5%、以下愛知(8.6%)、神奈川(8.0%)が続いた。
外国人入込客の実人数は、2.7%減の181万6千人回。このうち宿泊客は30.5%増の42万3千人回、日帰り客は9.6%減の139万3千人回。
外国人の観光消費額は33.2%増の227億8200万円で、大幅に伸ばした。内訳は宿泊客が156.9%増の118億4700万円で3桁増。一方、日帰り客は12.5%減の109億3500万円。
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