【データ】国内ロングステイの動向 ロングステイ財団調べ

  • 2018年11月29日

地域選択の基準、一番は「気候」

 ロングステイ財団(田川博己会長)は、日本人の長期滞在型余暇の現状とトレンドについて客観的に分析し、ロングステイに関する提言を行う出版物「ロングステイ調査統計2018」を6日に発行した。ここでは、その中から「ロングステイの動向と分析」の「国内ロングステイ」を抜粋して紹介する。

 図1は、国内旅行でロングステイを目的として実施した方々の選んだ希望地域トップ10、図2は、不特定多数全体の方々に尋ねた希望地域トップ10である。

 ロングステイを目的とした回答者は、国内旅行経験者全体1590人の約3%(昨年は3.8%)の47人(昨年は60人)であった。その47人が選んだ順位は、図1の通りである。トップ3は、1位沖縄県(昨年1位は北海道)、2位北海道(昨年2位は沖縄県)、3位京都府(昨年3位は長野県)であった。昨年と比べ1位と2位が入れ替わった。トップ10の変動を見ると、昨年に比べ5地域が入れ替わった。3位京都府(昨年8位)、5位神奈川県(昨年10位)、6位大阪府(昨年11位)、7位山形県(昨年41位)、10位香川県(昨年26位)と山形県、香川県は大きく躍進した。

 一方、不特定多数全体(1590人)が選んだ順位は、図2である。このトップ3は図1と同じで、1位沖縄県、2位北海道、3位京都府という結果であった。この不特定多数全体トップ10では上位8位までは昨年と同じ順位であったが、9位大阪府(昨年11位)、10位千葉県(昨年12位)は順位を上げている。

 不特定多数全体に尋ねたロングステイ地の選択基準は、図3の通りである。

 昨年同様、圧倒的に支持される基準は「気候」で、ロングステイが避暑避寒目的、良い季節を選んで選択する傾向が浮き彫りになっている。全世代に通じた選択基準の上位6は、昨年の順番と同じであった。選択基準のキーワード(重要な点)は、その地域の好感度が高いこと、暮らしがベースの住環境(ロングステイ必須条件)が良いこと、利便性(目的地までのアクセス、滞在地での移動手段など)が高いこと、そして、長期滞在に適した施設が充実していること、ロングステイに必要な情報が充実していること、である。

 世代別に見ると、気候の良さを強く支持する世代は60代後半の男性、50代の女性であった。また、好感度を重視する世代は男性、女性とも20代、30代であった。

 また、国内で1週間以上滞在(ロングステイ)の経験者に絞り込むと、「気候」「好きな地域」を支持するポイントが平均よりも大きく上昇する。温暖で過ごしやすい気候と好感度が高い条件は、必要絶対条件といえる。さらに、「将来的に移住したい場所」と回答した経験者は10.4%と、10人に1人は移住に備えてロングステイをしている実態が浮き彫りにされた。

 国内ロングステイを始めた要因、また、今後ロングステイをする際の目的や過ごし方について尋ねた結果が、図4と図5である。不特定多数全体の順位(図表5)では、上位六つは昨年と変わらないが、昨年の7位「親戚・知人訪問」が9位に落ち、今年の7位に「健康リスク、療養」、8位に「移住」が入った。翻って、国内ロングステイ経験者に絞り込んだ結果は、上位の「周辺観光、リフレッシュ目的、趣味・スポーツ、避暑・避寒」などは軒並みポイントを落とした。一方、順位は下位グループだが、「健康リスク・療養、移住、自己啓発、体験学習、ボランティア」など目的がより具体的なものが上昇しており、「健康、文化に触れる、学ぶ」という新しい発見や教養に関連した分野が伸びているのも興味深い。

 国内ロングステイの障害について尋ねた結果(図6)、第1位の障害は昨年と同様、「滞在費用がよく分からない」が36.9%(昨年は36.3%)であった。約4割が滞在費用の情報不足が国内ロングステイ普及のブレーキになっていると指摘している。この情報社会でもロングステイに関する情報整備が遅れていることが浮き彫りになっている。当財団としても情報環境整備の重要性を再認識し、高い優先度で取り組みたい。また、昨年同様であるが二つの外的障害要因が見える。

 一つは職場環境・働き方(休み方)の改善不足である。19.7%(昨年19.4%)の方が「連続休暇が取得できない」、9.7%(昨年10.1%)の方が「休みの間、仕事を引き継いでくれる人がいない」と回答している。昨年2017年3月に閣議決定された「働き方改革実行計画」は始まったばかりである。

 有給休暇の取りやすい職場環境づくり、業務の共有と可視化、業務の協力体制、有給休暇取得率向上の取り組み不足など、解決すべき課題は山積みである。

 二つ目は、家庭内環境の障害である。9.4%(昨年10.4%)が「家族の理解が得られない」、8.2%(昨年8.6%)が「老親などの世話」、4.0%(昨年3.6%)が「介護の必要な家族がいる」と回答している。このように、職場環境、家庭環境の双方に多くの障害が存在する。ロングステイ普及の障害は、休暇という自由な時間獲得の障害であり、徐々ではあるが取り組みの始まった「休み方改革」の推進はこれらの障害を排除できることにつながる。

 当財団は、ロングステイ普及啓発の方向と一致する「休み方改革」普及啓発支援の取り組みも開始した。今後は、関係組織との連携を拡大、深化させ、提唱レベルでなく、企業に対する先行事例の紹介や課題解決型提案など提言強化を行っていきたい。

 図7は「現地のどのような情報がほしかったか」の結果である。昨年と比べて大きく増加したものは、「推奨レストランなど飲食店の情報」「交通情報」「地域の習慣、風習に関する情報」の3点であった。地元ならではの食文化に対する関心度が大きく伸びたのは、その地域の固有文化への関心度の高まりであり、新しい発見を求める傾向が強いということを示唆している。次いで、「交通情報」であるが、現地の二次交通、目的地までの公共機関に関する情報が重要である証左であろう。さらに、「地域の習慣、風習に関する情報」の大きな伸びも先ほどの食文化同様、新しい発見および教養につながり、関心度を高める効果が大きいことが読み取れる。旅をより長期化させる三大要因は「新しい発見・冒険、学び、そして教養」である。これらのテーマに沿った、その地域ならではの時間消費、空間提供が人を引きつける素材になることが読み取れる。

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