カンバイは、京都市内の人気ゲストハウス滞在中の訪日外国人観光客に対して京都に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。
国内各エリアTOPクラスの優良ゲストハウスとともに訪日インバウンドマーケティングサービスを展開する株式会社カンバイ(本社:東京都港区、代表取締役:丸山高範)は、世界各国の様々なデータ収集に特化したITソリューションを提供するSyno International(本社:リトアニア、CEO:Renata Sevcoviene)の日本支社、Syno Japan株式会社(本社:東京渋谷区、代表取締役:長野草児)と提供する訪日外国人向けリサーチサービス「TABIにデータ」を活用し、公益社団法人 京都市観光協会(所在地:京都市中京区、会長:柏原康夫) 協力のもと、株式会社Feel Japan(本社:京都市下京区、代表取締役:藤田勝光)が京都市下京区にて直営するゲストハウス「FUJITAYA BnB」に滞在する訪日外国人観光客対して京都に関するアンケートリサーチを実施しました。
一方で、ゲストハウス間の競争は激化しており、日本随一の観光都市・京都市においては、ゲストハウスを含む簡易宿所は2014年度の460軒から2017年9月には1,916軒(※京都市調べ)とわずか2年半の間に4倍以上に急増するなど、熾烈を極めています。
このような厳しい状況の中で、2017年5月のオープンからわずか3か月目でトリップアドバイザー「京都市のB&B / 民宿」にて1位を獲得(※2017年11月6日現在も1位)した人気ゲストハウス「FUJITAYA BnB」に宿泊する、旅行および情報リテラシーの高い訪日外国人観光客に対して「TABIにデータ」を活用したアンケートを実施し、彼らの最新動向を調査しましたので、その一部を公開します。
◇調査結果
■予約にあたり重視した要素は「1位:価格」「2位:観光地へのアクセス」に続いて、3位に「口コミ・評価」がランクイン。「6位:ホストに対する信頼度」は「7位:Wi-Fi」を上回る結果に。
<Q.予約にあたり,重視した要素を全て選んでください。>
人気ゲストハウスならではの傾向か、「価格」「アクセス」などの一般的な項目以外では「ホストに対する信頼度」が高順位に。当然「口コミ・評価」は重視されているため、口コミサイトでホストについてのポジティブな投稿が増えると集客効果は高まると考えられる。一方で、「カード決済」は最下位となっており、カード決済システムの導入は集客には直結しない可能性が高い。
■9割以上が「旅館に泊まってみたい」と回答。「興味はあるが利用していないor泊まりたくない:理由」は、「価格が高いから」の他に「旅館のことをよく知らないから」「和室での宿泊が苦手だから」「ルールやマナーが難しいイメージがあるから」など。
<Q.旅館に泊まってみたいですか?>
<Q.興味はあるが利用していない or 泊まりたくない: 理由>
9割以上が「旅館には泊まってみたい」と回答しており、旅館に対してかなりの潜在ニーズが見込める一方で、「興味はあるが利用していないor泊まりたくない:理由」として「価格が高い」というイメージが定着しているため、その点を考慮したプロモーションを展開できれば、一定の集客効果は見込めると考えられる。
■京都観光においてガイドツアーを利用するために重視することは「1位:母国語で会話できるかどうか」に続き、「同率2位:ガイドの評判」「同率2位:ツアー内容の評判」が上位に。
<Q.京都観光においてガイドツアーを利用するために重視することはありますか?>
旅慣れた旅行者が多いゲストハウスならではの傾向か「スマホやガイドブックで調べれば十分なので、ガイドは利用しない」が半数いた一方で、利用意向者の中では「母国語で会話できるかどうか」「ガイドの評判」「ツアー内容の評判」が「価格」よりも重視されており、体験には惜しみなくお金を使う傾向が見てとれる。
■京都滞在中の過ごし方として、朝の「カフェ」、夜の「夜景」にもニーズ有り。
<Q.京都滞在中,朝(6:00~10:00あたりの時間帯)をどのように過ごしますか?>
〔京都市観光協会コメント〕※自由回答を分類した集計結果に対して
- 寺で過ごすという回答が意外と多い
- カフェ需要が高いことはカフェが多い京都にとってはプロモーションの参考になり得る
<Q.京都滞在中,夜(18:00~22:00あたりの時間帯)をどのように過ごしますか?>
〔京都市観光協会コメント〕※自由回答を分類した集計結果に対して
- 飲食需要が高いのは想定通り
- 夜景ニーズがある程度あることが分かったのでニーズの深掘りをしていきたい
■京都という観光地のイメージは、「1位:寺」「2位:美しい」「3位:歴史がある」などが上位に。
<Q.京都という観光地のイメージを,5つ以上のキーワードで自由にお答えください。>
〔京都市観光協会コメント〕
- 「寺」を核とした文化・歴史的なイメージの他に、芸舞妓、自然、人間といったサブ要素がぶら下がるような構造になっている模様
- 「美味しい」というワードが多かったものの、具体的な料理名がほとんど出てこなかったので、食に関してのイメージはまだまだ漠然としているのが課題か
◇調査概要
調査方法:「TABIにデータ」を活用したスマートフォンによるアンケートリサーチ
※サンプルはQRコード経由で回答者本人から直接回収。
調査時期:2017年9月11日~10月15日
調査対象:「FUJITAYA BnB」に滞在する外国人宿泊客
サンプル数:102
サンプル国籍:下記参照
◇京都市観光協会「TABIにデータ」利用後の感想
自由回答の精度が高く、欠損データも見当たらなかったことは、既存のWEBアンケートと比べて優れていると思います。ただし、回収には多少時間がかかるので、少人数に対して丁寧な回答を依頼したい場合に有効です。
消費者のインサイトを深掘りするためにはグループインタビューが有効ですが、外国人旅行者の場合、旅行中にグループインタビューを実施することは、貴重な旅行時間を奪うことになってしまいます。 このゲストハウスアンケートは、外国人の旅行時間をなるべく妨げずにインサイトを深掘りすることができる貴重な手段です。それだけに、従来型のシンプルな設問設計ではなく,自由回答を分析処理することを前提にした設計と解析技術が、このサービスの利用者には求められるのではないかと思います。 また旅アトのリサーチが可能な点も注目です。同一人物の態度変容を把握することは、マーケティングリサーチにおける大きな課題であり、帰国後の購買行動や、再来訪動向の分析に極めて有効だと考えられます。 |