【データ】「2019年 世界の消費者トレンドTOP10」 ユーロモニターインターナショナル調べ


 ユーロモニターインターナショナルは13日、「2019年 世界の消費者トレンドTOP10」を発表した。

英国ロンドン – 国際的な市場調査会社、ユーロモニターインターナショナルはこの度、2019年に注目すべき世界の消費者トレンドに焦点を当てた最新白書、『2019年 世界の消費者トレンドTOP10』を発表しました。

毎年発表している本白書では、世界で起きている10 の最新トレンドを明らかにした上で、変化する消費者の価値観や消費者行動がいかに世界的にビジネスに影響を及ぼすかを解説しています。

当社の消費者トレンド調査のディレクター、ジーナ・ウェストブルック(Gina Westbrook)は、次のように述べています。「2019年の世界のトレンド全てに共通するものは『インテリジェンス』です。様々な選択肢がある今日、消費者のニーズや求めるものは刻一刻と変化します。私たちの生活は数多くの選択肢によって左右されるため、その中からいかに最適なものを選択できるかが、消費者にとって最大の課題となります。」

本白書によると、ビジネス戦略の核となるのはシニア層です。人生の後半にさしかかったシニア層の消費者は、他の年代よりも経済的に豊かで、全年齢層の中で最も購買力があります。事実、2018年、50代の消費者の収入は、全年齢層の平均収入を28%も上回りました。

当社で人口調査を担当しているシニアコンサルタント、ラン・ハ(Lan Ha)によると、「世界で高齢者人口比率(労働年齢人口に対する65歳以上の人口の割合)が最も高く高齢化が進んでいる国上位5か国は、上から順に日本、イタリア、ギリシャ、フィンランド、ポルトガルです。トップの日本においては、65歳以上のグループを除いて全ての年齢層で2030年までに急激な人口減が見込まれており、2030年には高齢者人口比率は53.6%に達すると予測されています。ただし、高齢化は決して先進国だけが直面している問題ではありません。まさに世界的に起きている流れであり、企業にとっては大きなビジネス機会が潜んでいる市場だと言えます。」

また、ウェストブルックは「人々の寿命が伸び、自分自身の健康や見た目を管理改善するようになるに伴い、シニア層は自身を若く感じ、周りからは若く扱われたいと思うようになってきています。現代のシニア層が持つ価値観や優先したいと思うことは、私達が思っている以上に若い世代の人たちとよく似ています。」と続けています。

「独りを楽しむ消費者」のトレンドを牽引するのもシニア層です。実際に、独り暮らしをしているシニア層は、独り暮らしをしている若い世代に比べて圧倒的に多いのが事実です。最新調査結果によると、1人世帯の数は2030年までに1億2,100万に上ると見込まれています。

当社でライフスタイル調査の統括マネージャーを務めるアリソン・アンガス(Alison Angus)は、「世界中の人々、特にシニア層の人々が、「独り暮らし=不名誉」という図式を壊し、自立したライフスタイルを謳歌していることにより、「独りを楽しむ消費者」のトレンドは今後ますます重要性を増していくでしょう。このような堂々と自立したライフスタイルを楽しむ消費者のニーズをしっかりと捉えた商品やサービスが、この成長市場において成功すると考えられます。」と述べています。

しかし一方で、自立して暮らす人々は、他の人々とつながることも求めています。「デジタルにつながる」トレンドの根底にあるのは、より本格的で現実世界とほぼ同等のやりとりがオンラインで可能になるという技術的な進歩です。

当社の消費者サーベイによると、世界の消費者の45%が週に1度、写真またはビデオをオンライン上で共有すると回答しており、2015年の38%から7ポイント上昇しました。オンライン上で共有することにより、永久的に過去を振り返り、追体験をすることができるのです。「『デジタルにつながる』 トレンドは今後も引き続き、人々がどのようにつながり関わり合うのか、例えば物理的に離れていても一緒に何かを作り出したり体験することができるなど、新たなコミュニケーションの形を生み出していくでしょう。」とアンガスは結んでいます。

2019年 世界の消費者トレンドTOP10の概要:
1. 誰もがエキスパート
かつて消費者は、商品に関する情報を得るには特定のブランドまたは情報源に頼っていましたが、いつでも簡単に情報にアクセスできるようになった現在、消費者の調べる能力、情報を得る能力は磨かれています。企業はそのような消費者を惹きつけるため、絶えず商品開発をし、サービスを合理化していく必要があります。

2. 自分のケアは自分でできる
現代の消費者は、アプリやパーソナライズされたサービスなど自分にとって適切なツールを使うことで、専門家に相談せずとも自分自身のケアは自分でするようになっています。

3. 今すぐ欲しい!
消費者の生活は、かつてないほど多忙になってきています。彼らは仕事やプライベートにかける時間を増やしたいと思っているため、彼らの忙しいライフスタイルにマッチするような、効率よくニーズを満たすサービスが求められています。

4. 原点回帰する消費者
消費者は自分の個性を表現できるような、本格的な商品や体験を求めています。量産品のモノであふれた生活からシンプルな生活へ、また、ありふれた商品からより高品質な商品へと、求める価値がシフトしています。

5. プラスチックフリーな世界を目指して
プラスチックゴミのない社会を求める声が強さを増しています。企業が持続可能性を意識して改善に取り組む姿勢は、他の企業や個人消費者にも影響を与え、好循環をもたらしています。

6. 意識の高い消費者
エシカル(倫理的)の概念は、かつてはごく一部の消費者にしか受け入れられないニッチな市場とみなされていましたが、現在はより多くの消費者に受け入れられるようになったことから、大手企業もが注目するようになりました。

7. つながらない喜び
常にオンラインでつながっていることに疲れた消費者は、自らの心の健康を守るために、時にテクノロジーを遮断し、自分が本当に求めているものや楽しめる体験を優先するようになっています。

8. デジタルにつながる
テクノロジーが進化し、消費者にとって使いやすいものになるにつれ、物理的に離れていても、一緒に何かを作ったり体験することが可能になりつつあります。

9. 独りを楽しむ消費者
世界中の人々、特にシニア層の人々が「独り暮らし=不名誉」という図式を壊し、自立した独り暮らしのライフスタイルを謳歌しています。

10. 年齢にとらわれない
何歳からが高齢なのか-「高齢者」の境い目がシフトしてきています。人々の寿命が伸び、自分自身の健康や見た目を管理改善するようになるに伴い、シニア層は自身を若く感じ、周りからは若く扱われたいと思うようになってきています。

■本レポートの無料ダウンロードはこちら:
https://go.euromonitor.com/white-paper-Consumers-2019-Top10GCT2019JP.html


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