【テツ旅、バス旅 49】バスターミナル八重洲 鎌倉 淳


 東京駅周辺には多くの高速バスが発着しますが、バス停が散在しているという問題点がありました。八重洲南口にバスターミナルがあるものの、乗り入れているのはJR系など一部だけ。他の停留所は外堀通りや八重洲通りの路上、鍛冶橋駐車場などに分散し、利用者には分かりにくい状況が続いていました。

 これを改善する期待の施設が9月17日に開業しました。「バスターミナル東京八重洲」です。

 再開発ビル「東京ミッドタウン八重洲」地下にあり、ビルの工期にあわせて3段階で整備しています。今回が第1期です。

 東京駅と地下街を介して直結していて、JR八重洲地下中央口から歩いて2、3分で到着します。地下1階が小じゃれた飲食街になっていて、バス乗り場は地下2階。エスカレーターで降りると狭いホームがあり、左右各3バース(乗り場)を備えます。合計で6バースです。

 現状は規模が小さく、正直、「これだけ?」という印象もあります。しかし、完全開業時には20バースを備え、バスタ新宿の15を上回る日本最大級のバスターミナルになるそうです。

 東京駅周辺には1日1200便の高速バスが発着していますが、このうち550便と、新規50便の計600便が乗り入れます。約6割が千葉方面路線で、そのほか、関西、東海、東北などの遠距離路線も発着します。

 さっそく利用してみた感想としては、地下街の奥のさらに地下2階ということもあり、東京駅からアクセスする初めての利用者にはわかりにくそう。八重洲地下街の案内表示が不十分で、この点は改善が望まれます。

 着いてしまえばエアコンの効いた屋内バスターミナルは快適です。トイレはやや小さいですが、コンビニもあり、出発間際には便利です。

 残念なのは、規模に比して待合スペースが狭く、ベンチもわずかしか設置されていないこと。これでは、バスの入線まで立って待つことを覚悟しなければならず、路上のバス停から進歩がありません。

 長距離高速バスの旅客は早めに来ることが多いので、待合スペースは大事な設備のはず。まさか、地下1階の飲食店を利用してもらうために、ベンチを減らしたわけではないでしょうし、第2期以降での拡大整備を期待したいところです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 

 
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