【テツ旅、バス旅 27】新型コロナ禍での輸送密度 鎌倉 淳

  • 2021年11月10日

 新型コロナウイルス感染症で大きな打撃を受けた鉄道路線はどこでしょうか。JR各社(東海除く)から発表された2020年度の線区別の輸送密度(平均通過人員)を2018年度と比べると、最も減少率が大きかったのは、成田空港へのアクセス路線である「成田―成田空港」で76%でした。成田空港は国際線が主のため、飛行機利用者が激減したまま回復せず、アクセス鉄道の利用者減に直結した形です。

 次に減少率が大きかったのは、山形新幹線(奥羽線)「福島―米沢」で72%。コロナ禍では不急不要の流動がぱたりと止まりましたが、とくに地方から東京への旅行や出張が激減。その影響を強く受けたようです。

 以下、減少率が大きい路線として、空港アクセス線と新幹線がずらりと並び、中央線や北陸線など特急が走る在来線幹線が続きます。これらの減少率はおおむね5~6割。飛行機や新幹線・特急という中長距離の輸送機関が大打撃を受けたことが、輸送密度からはっきりと見て取れます。

 大都市圏の通勤路線はそれに比べるとマシで、おおむね2~3割の減少率にとどまります。山手線をはじめ都心に近い路線ほど減少率が高い傾向がみられ、都心部での在宅勤務の広がりをうかがわせます。

 最も打撃が小さかったのは地方ローカル線で、多くの線区で1~2割の減少率でした。といっても喜ばしい話とは限りません。そうした路線では高校生以外の利用者が少ないので、旅行自粛や在宅勤務の影響をあまり受けなかった、というだけの話だからです。

 10月に入り、緊急事態宣言が全国で解けると、公共交通機関の利用者が目に見えて回復してきました。新幹線や飛行機はみっちり座席が埋まり、東京や大阪のラッシュ時の混雑も戻っています。人出の回復を肌で感じている方は多いでしょう。

 それでも直近のJR各社の月次情報を見ると、コロナ前と比べ、中長距離の回復は5~6割、都市圏の回復は8割程度にとどまっています。ガラガラの列車に慣れてしまった身体には混雑が身にしみますが、まだ、以前よりだいぶ空いているのです。

 空いている列車は快適です。しかし、この状況が続けば値上げや運行本数削減が避けられません。旅好きの皆さまはそうなったら困るでしょうから、感染対策を万全にして、お出掛けしてみるのもよさそうです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
 
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