【テツ旅、バス旅 2】ローカル路線バス 旅行総合研究所タビリス代表 鎌倉 淳

  • 2020年10月22日

 「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京)という人気番組があります。文字通り地方の路線バスを乗り継ぎ旅をする番組で、出演者は何の情報も与えられずに、バス停を探し、設定された目的地を目指します。うまくバス路線を探し出してゴールできることもあれば、乗るべきバスを見つけられずに、途中で断念することもあります。

 私は番組終了後に、乗り継ぎルートの「正解」を検証してウェブサイトに掲載しています。今の時代、路線バスだけを乗り継いで旅をするのは難しく、途中で路線が途絶えていたり、路線があっても運行本数が極端に少なかったりして、うまく乗り継げないことも珍しくありません。その場合、出演者はバス利用を諦めて、遠くまで時に十数キロを歩いたりしています。視聴者は悪戦苦闘ぶりを楽しむのですが、公共交通機関としての路線バスの役割に着目した場合、これでいいのかと思うこともしばしばです。

 何よりも、地方の路線バスは運行系統や本数が少なすぎて、地元の方が日常的な交通機関として利用するには不便です。他の交通機関との接続も不十分で、ネットワーク機能にも難があります。

 外からやって来る旅行者にとっては、地域の路線バスは分かりにくく、利用するのは不安です。バス停に書かれたわずかな情報で、自分の目指す方向に向かうバスがどれか判断するのは簡単ではありません。

 近年、地方の路線バスは急速に路線網を縮小し、輸送人員は21世紀に入り20%以上減りました。人口減少や自動車の普及などさまざまな要因が絡み合っての結果ですが、こうした「路線バスの使いにくさ」にも原因があるのでしょう。

 幸いなことに、最近は、ネットの乗り換え案内に情報提供をしているバス会社が増えてきました。行きたい場所と利用したい時間を入力すれば、乗るべきバス路線と、バス停の位置、運賃が簡単に分かるようになりつつあります。

 MaaSの取り組みにも期待がかかります。鉄道、バス、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなどさまざまな交通サービスを一括してアプリで検索し、料金の支払いなどもできる仕組みです。まだ試行段階ですが、広まれば旅行者が路線バスを利用する際のハードルが下がることでしょう。
 こうしたサービスがもっと広まって、地元住民にも、旅行者にも、使いやすいバスのシステムが広まることを願ってやみません。

 (旅行総合研究所タビリス代表) 

     
 
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