【コロナ新時代への提言】東洋大学 国際観光学部教授 越智良典氏

  • 2021年6月11日

越智教授

感染症危機乗り越え、地域創生の主役に

 緊急事態宣言は3度目を数え、あたかも鉛の服を着て同じところをぐるぐる回っているかのようであるが、出口の光は見えてきている。

 これまで何を学んだか?

 Go Toトラベルでは、宿泊施設、旅行会社への検査・指導を通じて、短期間に感染対策のガイドラインを周知徹底し、6830万泊の利用者に対して、わずか309名の陽性者という成果を示した。これは行政が検査・指導をしなかったイート事業との決定的な違いである。

 では、飲食業は検査・指導はできないのか?

 山梨県の「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」は宿泊業だけでなく、飲食業、酒蔵、ワイナリーまで対象にしている。県による事前検査・指導、対策費用の補助、利用者による通報制度によって効果を発揮している。住民と観光客が安心できる医療体制を作り、インバウンドで選ばれることを狙う、学ぶべき戦略である。

 Go Toトラベルのマーケティング上の学びは、安近短から、テーマ型、滞在型、体験型国内旅行を定着させたことだ。旅行会社は年間2千万人の目が肥えた海外旅行リピーターに対して、国内旅行を再発見させた。アフターコロナにつながる価値創造だ。
 
 今取り組むべきことは何か?

 欧米がワクチンによって感染を抑え込み、経済や観光の復活を始めていることにならうことを提案する。

 (1)ワクチンの地域や職場での集団接種に協力すること。感染の多い地区、交通、宿泊、接客部門での優先接種。

 (2)ワクチンの普及までの間、PCR検査、抗原検査などで変異株をスクリーニングすること。風評被害対策でPCR検査付きツアー、イベントの実施。

 (3)経団連が提案しているワクチン履歴やPCR検査のデジタル陰性証明の普及に声をそろえること。インバウンドの復活にもつながる。

 (4)オリパラによる国際往来のノウハウの獲得と活用。また、実施できなかったホストタウン交流などは、今後2年間かけての実施を提案する。

 Go Toトラベル、インバウンド実証事業は上記取り組みを進めることで、実現できると考える。

 私たちは21世紀に入り、テロ、感染症、自然災害など想定外のリスクを克服してきた。今回の最大の危機を乗り越えて、まさに免疫をつけて、前に進みたい。足元の企業存続が最優先ではあるが、本来の観光業界のあるべき姿とは、2030年のSDGsのゴールに向けて「環境」と「貧困」の解決に向けて、貢献することにあった。特に、日本の重点課題は少子高齢化であり、「観光による地域創生」が使命であったことを思い起こしたい。

 また、大学で観光を学ぶ学生には、変化に挑戦できる人材が多くいます。門扉を少しでも拡げ、採用してくださることをお願いします。

 
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