【オマツリジャパンの毎週祭日 8】あふれる自然と豊かな祭り フォトライター・鹿久保知里

  • 2019年11月5日

安摩の真似をして舞う、二の舞の語源となった

小國神社 十二段舞楽(静岡県森町)

 静岡県森町の小國神社、そこは澄み切った空気と新緑に包まれていた。訪れたきっかけは、十二段舞楽である。十二段舞楽は重要無形文化財に指定されており、毎年4月18日に近い土・日曜日に奉奏される。由緒ある地で伝統文化の舞を見ることに期待を膨らませていたが、現地に着いてまず小國神社の自然に感動した。広い境内には神々しさを感じる木々がうっそうと茂り、春の訪れとともに草花が可憐(かれん)に咲いていた。あふれるばかりの自然は、小國神社へ訪れた人々を歓迎しているかのようであった。

 小國神社で奉奏される十二段舞楽には1300年余りの伝統があり、大宝元年(701年)2月18日に勅使(天皇が派遣する使者のこと)が出向き、当地で十二段の舞を奉納したことが始まりとされている。

 当日は、大人から子供まで、幅広い年齢層の人々が小國神社へ集まり、小高い舞台を見上げるようにして立ち囲む。拝殿を正面とし少し右へずれた舞台は、神様の正面を通らない配慮、どの位置でも舞を見ることができる高さ、と隅々まで心配りがされていて心地良い。

 十二段舞楽は、十二段のうち六段を子供が舞う。大人の舞は、勇ましいものからユーモアのあるものまでさまざまで、1日かけて舞楽を見ていても飽きることがない。真剣な面持ちで舞う子供たちの姿は、舞楽の伝統や精神を次世代へつなげていこうという思いが感じられる。大人も子供も一丸となって築き上げる舞は、見ていて胸が熱くなった。夕暮れ時には西日が差し込み舞台の趣も変わる。徐々に大人たちの笑い声も混じり、夜には提灯に明かりが灯り、勇ましい舞が繰り広げられる。気付けば、舞台で獅子が暴れまわり、最後の舞となっていた。1日があっという間である。

 見渡すと、その場にいる全ての人が満ち足りた顔をしていた。小國神社には、人々の気持ちを豊かにしてくれるお祭りがある。

(フォトライター・鹿久保知里)

※オマツリジャパンのライターが全国の魅力的な祭りを紹介します。

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安摩の真似をして舞う、二の舞の語源となった

安摩の様子に驚く二の舞の爺

 

 
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