今号では、前回に引き続きホテル旅館業界のITやWEBに関する予測について述べたいと思う。前号同様に多分に主観が入った内容ではあるが、ご容赦いただきたい。キーワードは、「SNS」「DX」「デジタルマーケティング強化」という三つを取り上げたい。
まずSNSであるが、もはや言わずもがなのレベルであるが、「Instagram」「Twitter」に代表されるソーシャルメディアの総称である。
世界全体やアパレル小売り業界では以前より注目されていたが、ホテル旅館業界もようやくSNSに注目が集まり、対応が始まったという印象である。昨今ではプラットフォームとしての存在感が高まっており、若い世代を中心に顧客を獲得するうえで欠かせないツールであるので、今年は「宿泊業×SNS」での取り組みについて別の機会でも取り上げていきたい。
続いて、DXであるが、2021年の時にも取り上げたが、今年はさらに大事なポイントとなりそうなので、改めて挙げておきたい。
特に人手不足が深刻となった今、DXは解決策の一つとしてさまざまな場面で目にするようになってきた。観光庁の推進施策としても中心の一つに据えられているので、補助金とあわせて導入チャンスとなる年となるであろう。
ただ、トランスフォーメーションという単語が入っている通り、単に導入しただけでは効果は薄く、きっちりとオペレーション改革とセットでなければならない。例を挙げれば、自動チェックイン機を入れたが、「ご年配の方には人の接客がいる」という理由で、有人カウンターと併用した結果、どっちつかずの中途半端なオペレーションになり、かえって手間が増えてしまったということがあった。
最後はデジタルマーケティング強化である。今さら感はあるが、コロナ禍で加速度的にオンライン化が進み、この流れはとどまることはない。集客面においてはWebやOTAやSNSに対するマーケティング強化、採用面でもIndeedや採用Webについてのマーケティング強化が必須であり、もはやデジタルマーケティングなしでは宿泊業界は成り立たない状況となった。したがって、改めてデジタルマーケティングを最重要項目として捉えなおす必要がある。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)