緊急事態宣言の延長が決定されて、心が折れてしまいそうな雰囲気が漂っている。ただ、一つ明るい兆しとしてはワクチン接種という出口戦略が見え始めていることではないだろうか。ワクチン接種で先行するイギリスでは、5月17日から海外旅行の解禁が始まった。世界では、ワクチン接種が進んだ国から日常を取り戻しつつある。日本もそこに向けて、夏に向けて急ピッチで進んでいる。
さて、そのような中で、今号では再びアフターコロナで起きる出来事について、述べていきたいと思う。オンライン予約の加速によりブランディングが重要になることを伝えたが、オンライン予約の加速は(当然だが)デジタルマーケティングの重要性を高めることにもなる。
デジタルマーケティングと一口に言っても、その領域は多岐にわたる。HP(ホームページ)、SEO、GoogleMAP、Googleマイビジネス、PPC広告、国内OTA、海外OTA、Facebook、Instagram、Twitter、Youtubeなど、人々が旅行の際に使用する媒体が増えるたびに対応する媒体が増加する形になっている。
したがって大事な点は、自社の戦略に応じて強化媒体の優先度を決めることである。例えば、今まで集客の大多数を旅行会社に頼っていたような場合は、いきなり直販ルートだけで集客を賄おうとしても難しいので、OTAへの取り組みが第一優先事項となるであろうし、既にOTAで安定して集客ができているような施設は直販を強化して手数料率を下げるという戦略が優先事項になるかもしれない。あるいは、顧客ターゲットとして、新規のお客さまとして若い世代を取り込みたいのであれば、Instagramを強化するなど、各施設の置かれている状況で優先施策は異なる。
そして、何よりもデジタルマーケティングにおいて大事な点は、データが全て可視化できるという点である。収集したデータを分析して、次なる戦略、戦術に生かすことが成功のポイントとなる。
再三にわたり、お伝えしているようにオンライン化の流れはもはや不可逆的であるので、アフターコロナを見据えて、今一度、自施設のデジタルマーケティング戦略を見直してほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)