【インターネット徹底集客 211】メタサーチについて アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢


 今年の冒頭に「メタサーチの台頭」について述べたが、今号ではメタサーチについて考えてみたい。今さらではあるが、旅行業界におけるメタサーチとは「複数のOTAを横断的に検索し、比較検討できるサイト」である。代表的なサイトとしては「トリップアドバイザー」「トラベルコ」「トリバゴ」「フォートラベル」などがある。最近では「LINE」が旅行業界に参入するにあたり、Travel.jpとの統合を選択したのは記憶に新しい。メタサーチに対する意見はいろいろとあるが、ここでは実務面から見ておかなければいけないポイントなどを述べたいと思う。

 まず、メタサーチは旅行者にとって便利なものであるので、メタサーチを使用するユーザーは増加するということを念頭に置いておくことが大事である。従って、ホテル旅館側ではメタサーチでお客さまが検索をしているという前提で自施設の価格戦略を見直さなければいけない。

 ここでポイントになるのは、メタサーチはOTAのみならず、リアルAGTを含めあらゆる旅行商品を収集してくるという点である。

 今までの旅館の組織体制でありがちなのが、OTAの担当者とリアルAGTの担当者が分かれており、かつ情報共有がなされていないケースがあり、この場合、ある日にメタサーチで検索をした時に、どちらかが高く、どちらかが安いという価格の不均衡性が起きることになる。

 従って、価格コントローラーはOTAやリアルAGT、海外OTAを含めて価格をコントロールすることが求められる。特にリアルAGTの商品や価格はかなり前に決まってしまうため、組織を分断することなく協議して価格戦略を練ることが求められるのである。

 各OTAの会社が最低価格保証、いわゆるレートパリティについて厳格化していく中で、より価格の統一性は大事なポイントになってくるものと思われる。もちろん支配人や価格コントローラーだけではカバーできないこともあるので、予約担当者なども全員が理解しておくと、不自然な価格で予約が入ってきた時に早期の発見につながるケースもある。

 新年度も始まるこの機会に一度、全体的な価格商品戦略を見直すことをお薦めしたい。

(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒