◎…全国15箇所の仕入販売センターを統括する担当部長として、この4月1日に就任した。前職は日本旅行グループが運営するホテルノルド小樽の総支配人(代表取締役常務)。1987年の入社以来、主に国内旅行商品「赤い風船」の企画を担当していたが、お客を送る立場から送られる立場へ180度転換。そして宿泊施設への対外窓口という立場に。このような経歴は日本旅行のみならず旅行業界全体でも異色という。「普段、旅館・ホテルの皆さまがどのようなご苦労をされているのか、骨身にしみて分かっているつもりだ。いろいろな会合に出させていただいて、皆さまの地域を売ろうとする熱意をひしひしと感じる。われわれはそれに応えていかねばならない。自分も苦労をした経験が、宿泊施設の皆さまの何らかのお役に立てれば幸いだ」。
◎…入社当時はバブル景気の直前。旅行業界も活気づいていた。「企画担当者のアイデア次第で商品が爆発的に売れていく。それが面白かった」。手掛けた一つが航空会社とのタイアップ商品。ツアーオリジナルの搭乗券が付く商品は航空マニアなどに受け、マスコミにも取り上げられた。立場が変わったホテル時代は勤務して3日後に東日本大震災に見舞われる。「小樽運河に全く人がいなくなった」という非常事態。客足は夏までに回復したが、「これからどう、このホテルを運営していけばいいか、本当に悩んだ」。“波乱万丈”の28年間だ。
◎…東京都内に両親と奥さん、2人の娘さんと6人暮らし。「新しい仕事を覚えるのに精いっぱいで、休日に何かをする余裕もない。趣味は仕事にしておいて(笑い)」。同僚によると、国内の観光地にプライベートで出没するというから、顔は覚えておいた方がよさそうだ。
【聞き手・森田淳】