里で味わう胃腸の名湯
――開湯は。
「明治18年、創業者である増野定八が山で栗拾いをした際に赤い泉を発見しました。病気の母が飲んで元気になったという源泉は宝命水と言っています」
――所在地は。
「トレッキングでも人気な荒船山の近く、妙義荒船佐久高原国定公園の中にあります」
――風呂は。
「源泉湯には、炭酸成分、鉄分が多く含まれています。体が温まり、関節痛緩和、血行促進などの効能があります。源泉は飲泉ができ、受粉する場所で酸化前の無色透明な湯が飲めます。胃腸が整い、『胃腸の名湯』とも言われています。現在は、湯治スタイルは辞めていますが、湯を目当てにした静養客が多く訪れています」
――食事について。
「地産地消にこだわり、地元の名産品である佐久鯉(こい)を中心に提供します。夏は千曲川で取れたアユの塩焼き、レタスなど高原野菜が好評です」
――客室は昨年にリニューアルしました。
「コロナ禍での観光に合った客室に改装しました。小宿の温かみや木のぬくもり、寛ぎが感じられます。客室全7室、食事は個室形式で召し上がれる7室7食室のスタイルを採用しています」
――地域の魅力は。
「佐久、内山峠は、昔からの風習が残る地域です。無病息災などを願う『どんと焼き』、盆の送り火として『百八燈』といった行事が昔から変わらず残り、里山の風光明媚な景色とともに楽しめます」
――将来は。
「小宿ならではのおもてなしを心掛け、持続可能な旅館運営とするため、受粉泉である源泉を守り続けていきます。また、秘湯ファン、温泉宿を応援する人にも愛される宿にしていきたいです」
【7室、1泊2食1万8850円(税込み)】