地産地消の味の宿
第931回よその旅館ホテル
──宿の一番の売りは。
「地産地消の会席料理です。地元・近江で取れた旬の食材にこだわっています。琵琶湖特産のセタシジミを使い目の前で炊き上げるしじみ釜飯はうまみが濃く、自慢の一品です。夕食のメーンはやはり近江牛。近江牛の名前を広めた老舗『松喜屋』の牛肉をたっぷり使った、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキを楽しんでいただけます」
「12〜2月末には天然の真鴨を使った『本鴨鍋』をお出ししています。合鴨にはない深い味わいが特徴です。値段の張るプランですが、それでも本鴨鍋を楽しみに毎年来館されるお客さまもいらっしゃるほどです」
──客層については。
「地元の方が中心です。お泊まりのお客さまには、紫式部ゆかりの古刹、石山寺に参拝にいらした年配のご夫婦も目立ちます。このほか夏休みには家族利用もありますし、年に数回、修学旅行の利用もあります。外国人客は、当館のホームページ(HP)が日本語だけなこともあり、台湾、香港の方が少しいらっしゃいますが、京都あたりのようにたくさんは来ていません」
──経営の課題は。
「昔ながらの旅館なので設備面で時代に合っていないところがあり、将来を考えると改修は大きな課題です。あとは広告宣伝です。近隣のおごと温泉のような大きな宿が集まっている有名温泉地とは違い、地元でもあまり知られていないので、いかに露出を高めていくかは課題ですね」
──今後取り組みたいことはありますか。
「インバウンド対策でしょうか。HPの多言語対応もですが、海外の宿泊予約サイトにも手を伸ばすなどしていけたらいいですね」
【13室、1泊2食1万3800円(税込み)から】
http://www.matsunosou.com/