丹後の魚介、月替わりで
第1051回よその旅館ホテル
――宿の一番のこだわりというと。
「お料理です。丹後の新鮮な魚介類を中心とした季節感のある、月替わりのお料理を楽しんでいただきたいですね。お越しになるお客さまも“美味(おい)しいものを食べたい”と、ここでしか味わえないものを楽しみにされています。夏は大きさ、味の良さ(柔らかく甘い)で日本一といわれる、丹後とり貝、秋は脂がのって繊細な旨味が出るグジ(甘鯛)、そして冬は松葉がに、寒鰤(ぶりしゃぶ)。季節の味を京風懐石でご提供しています」
――和風建築の館も素敵ですね。
「意匠を凝らした純和風の造りながら、どこかほっとする佇まいをリピーターのお客さまは気に入ってくださっています。創業は江戸中期で、11代目の茶谷六治が昭和6年に料理旅館として建てたのが当館です。建築の際には大工衆を連れて全国の和風建築を訪ね歩き、職人の技を研究し、随所に工夫を凝らしたそうです。三つの庭は季節ごとに表情を変え、春はツツジ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、美しく移ろいます」
――客室の方は。
「11室のお部屋は、全て造りが異なります。特別室『蓬莱』は、書院造りのお部屋の両側にお庭を配し、鳥のさえずり、緑の美しさや静寂など、ゆるやかな時の流れを感じていただける空間です。また、2階の『加茂』は数寄屋造りで、天橋立を横一文字に眺められる海側のお部屋です」
――温泉、風呂は。
「宮津温泉『ピント湯』は民謡・宮津節にちなみ、疲労回復、美肌に効果があるとされます。当館のお風呂は、庭園が眺められる『小町の湯』と『太郎の湯』でそれぞれに内湯と露天風呂がございます」
【1泊2食付き2万3500円(税別)から】