
元禄元年創業の老舗
第687回よその旅館ホテル
──歴史がある旅館ですね。
「はい。創業は元禄元年で、現在の当主が14代目です。かつて湯原は山陽道と鳥取県の大山、倉敷を結ぶ街道の宿場町として栄えていました。夜ごと行灯の油を絶やさず旅人を迎え、道中の行灯の油を提供し続けたことから『油屋』と呼ばれるようになったと伝えられています」
──湯原温泉は西の横綱と称された共同露天風呂の砂湯が有名ですね。
「はい、歩いて2〜3分の距離にあります。湯原温泉には3つの源泉があり、1つは砂湯、1つは当館の地下にあります」
──泉質は。
「弱アルカリ性単純泉で、無色透明、においもないので、肌に刺激もなく、長時間でなければ乳児も入浴可能です。肌触りはなめらかで、神経痛、リュウマチ、胃腸病、疲労回復に効果があります」
──施設を紹介して下さい。
「宿泊と貸し切り浴室がある夢酔庵、食事と日帰り入浴ができる食湯館、宿泊と浴場、宴会場がある別館と3つの施設に分かれています。夢酔庵の地下から源泉が湧き出ています。食湯館の檜風呂は昨年浴槽を入れ替えました」
──食湯館はアニメ「千と千尋の神隠し」に出てくる「油屋」のモデルになったそうですね。
「数軒の旅館がモデルになったうちのひとつと聞いています」
──同窓会の誘客に力を入れていますね。
「同窓会の案内状の発送などをお手伝いする『油屋コンシェルジュサービス』を行い、好評を得ています」
──オオサンショウウオを飼っているとか。
「湯原温泉の守り神です。2匹います」
【1泊2食付き平日1万3800円から】