「温泉文化」登録へ議連発足 ユネスコ無形文化遺産


「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟の設立総会(11日)

知事の会、推進協も設立予定

 「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録しようと、自民、公明両党の国会議員でつくる議員連盟が11日に発足した。東京都千代田区の憲政記念館で開かれた設立総会には、代理を含めて国会議員約60人が出席。会長には衛藤征士郎元衆院副議長が就任した。これまで群馬県の温泉関係者や日本温泉協会が登録への機運を高める運動を展開してきたが、議連の発足によって登録への動きが具体化しそうだ。都道府県や民間企業などとも連携し、最短で2026年の登録を目指す。

 議連の会長代行には、赤羽一嘉前国土交通相が就任。事務局長には、牧島かれん前デジタル担当相が就いた。

 議連の設立とともに、11月21日には、温泉地を多く有する都道府県の知事たちが中心となって、「登録を応援する知事の会」を発足させる予定。議連の設立総会には、知事の会発起人の山本一太群馬県知事が出席し、早期登録を目指す意義を国会議員に訴えた。

 議連、知事の会に加えて、民間の側では、温泉・観光関係団体をはじめ、企業や団体、研究機関などで構成する全国推進協議会を来年3月までに設立する計画で、産業界などに幅広く賛同、参加を呼び掛けていく。

 議連の設立総会には、日本温泉協会の笹本森雄会長、群馬県温泉協会の中澤敬会長をはじめ、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本観光振興協会から代表者が出席し、登録の実現を訴えた。

 ユネスコ無形文化遺産の登録審査は、日本の提案に関しては現在、実質2年に1回の審査となっている。11月28日にモロッコで開幕する無形文化遺産保護条約の政府間委員会では日本が提案した「風流踊」の登録が決定する予定。その次の案件としては、提案中の「伝統的酒造り」の審査が24年に見込まれている。このため「温泉文化」の審査、登録は、最短で手続きが進んだとしても、24年の国内候補への決定を経て、26年11月ごろに審査、登録となる見通しだ。

 温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録しようという動きは、群馬県の温泉関係者が18年12月に協議会を設立して活動を始めたほか、日本温泉協会が19年度の会員総会で決議を行い、事業の柱の一つに登録推進を位置付けて運動している。関係者の期待は、フィンランドが提案した「フィンランド式サウナの伝統」が20年に登録されたことなどでも高まっている。

 登録の課題には、全国の温泉地や国民における幅広い機運の盛り上がり、温泉文化に対する法的な保護措置の在り方などが挙げられているが、温泉・観光関係者は登録を実現し、日本の温泉の世界的なブランド化、温泉資源の保護や継承、温泉地の持続可能な振興につなげたいと願っている。

 

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