「多様性の尊重」打ち出す
国際ホテル・レストラン・ショーの会場で2月16日に開かれた日本能率協会主催セミナーに大阪観光局MICE政策統括官兼万博・IR推進統括官の田中嘉一氏が登壇し、「訪日客6000万人への貢献『次世代の観光』創造へのチャレンジ」と題して講演した。要旨は次の通り。
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大阪観光局は2023年、コロナ禍からの反転攻勢を狙ったがインバウンド来阪客数目標1300万人に対して、実績は約980万人。24年は目標1400万人、25年1500万人、30年目標2千万人を掲げている。25年の大阪・関西万博、30年想定の大阪IR開業は、共にこの起爆剤となるだろう。
24年度大阪観光局事業の五つの柱は、(1)観光DX推進およびマーケティング活動のさらなる強化(2)国内外プロモーションの積極的な展開(3)大阪・関西万博、IR開業に向けたSDGsの機運醸成および取り組みの推進(4)「大阪=日本の観光ショーケース」の実現に向けた高付加価値コンテンツの充実(5)万博を契機とした国内外からのMICE誘致のさらなる促進―だ。
大阪は万博で世界から注目を浴びる。これを契機に「多様性の尊重」を打ち出していく。具体的には「ユニバーサルツーリズム」「LGBTQツーリズム」「ペットツーリズム」を推進する。
ユニバーサルツーリズムでは、22年12月に発足した「大阪ユニバーサルツーリズム推進協議会」の運営を通じて、誰もが安心して楽しむことができる都市・大阪を実現していく。
LGBTQツーリズムでは、誘致に成功した「IGLTA世界総会2024」の大阪開催に向けて、ポータルサイト「Visit Gay Osaka」の充実や、LGBTQ向け旅行商品の開発、販売を加速していく。北海道観光振興機構、東京観光財団、福岡観光コンベンションビューロー、沖縄観光コンベンションビューローと連携してプレ&ポストファムトリップを実施し、全国にも展開。多様性を尊重し、認め合う都市・大阪の実現を目指す。
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