「日本廻国」巡行、日本橋で観音像御開帳


高徳院住職の星さん(右)と願いを込める参拝者=東京・日本橋で

 国土交通省関東運輸局や千葉県観光物産協会、南房総市観光協会などが後援する、「日本廻国」と呼ばれる巡行が大詰めを迎えている。8月下旬に京都市を出発した巡行は10月21日に東京・日本橋に到着。観音像の御開帳を行い、道行く人たちが願いを込めた。11月上旬には、千葉県南房総市千倉町まで行き、約700キロの巡行が達成する予定だ。

 日本廻国は、元禄地震(1703年)や富士山宝永大噴火(1707年)、疫病などの後に、国内の安寧と繁栄を願って志願者とともに観音像と全国を巡り歩く大巡行。同局によると、「古くからいくつかの寺院で行われていたが、今は日本で唯一、千倉町の龍光山高徳院で行われている」(観光企画課)。

 同局は日本橋を起点とする五街道(東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道)を中心にした官民一体の観光振興策「江戸街道プロジェクト」に取り組んでいる。日本廻国の取り組みを歴史的文化資源と位置付け、プロジェクトの一つとして後援した。

 高徳院の住職、星孝芳さん(45)が本尊の「千倉観音」を山車に乗せ、寺の総本山がある京都から千倉町まで山車を引いて歩く日本廻国。天保の大飢饉の後以来、約200年ぶり4度目になるという。

 日本橋では御開帳が行われ、千倉観音と結ばれた綱の先端を握った参拝者たちが願いを込めた。記念御朱印札とお守りも手渡した。また、同局の岡村清二観光部長や冨沢雄一観光部次長も駆けつけた。

 千葉から来たという女性は「偶然、銀座で山車を引く姿を見てインターネットで検索したところ、日本橋で御開帳があることが分かり、参拝した。もともと神社仏閣が好きだが、この行事には感銘を受けた。ウクライナや中東で多くの人が犠牲になっているので、皆が幸せでありますようにと祈りました」と話した。

 11月上旬には終点の高徳院に着く予定だ。


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