「料金値上げに断固反対」旅政連が東電に要望書


要望書を手渡す旅政連の佐藤理事長(左、右は東電の鎌倉執行役員)

要望書を手渡す旅政連の佐藤理事長(左、右は東電の鎌倉執行役員)

 全国旅館政治連盟(旅政連、佐藤信幸理事長)は13日、東京の全国旅館会館で東京電力の担当者に会い、電気料金値上げ反対の要望書を提出した。すでに都道府県の旅館ホテル組合などが単独で提出しているが、中央組織として対応するのは初めて。「宿泊業界に負担を強いる電気料金の値上げに断固反対する」と強い口調で訴えている。

 要望書では、値上げの決定を一方的に行ったことを批判。また原発事故により国内旅行の自粛が続いていることや、事故による風評被害の補償が十分に行われていない現状を指摘し、「今回の値上げは到底容認できない」としている。

 その上で(1)人件費を含む聖域なき経費削減、燃料の効率的調達など経営の抜本的見直しにより、値上げを行わない(2)中小零細企業の多い宿泊業界については、十分な配慮を行うとともに、電気料金設定に関する情報を開示し、事業者に対してきめ細かい説明を行うこと(3)電気料金の値上げに同意しない事業所への電気供給を止めることは、到底理解できず、機械的な対応は社会的に許されるものではなく、各事業所と誠心誠意話し合うこと──の3点を要望した。

 当日は旅館側から旅政連理事長で全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)会長の佐藤信幸氏、東電管内都県の旅館ホテル組合理事長ら、東電から鎌倉賢司執行役員法人営業部長ら3人が出席した。

 佐藤理事長は「我々は原発事故以来、役員報酬や社員の給与とボーナスのカットなどリストラを進め、何とか経営を維持している状態だ。それに追い打ちをかける今回の値上げは到底納得できない。東電はどんな経営努力をしているのか。努力姿勢を明確に示してほしい」と訴えた。

 東京都ホテル旅館生活衛生同業組合の今井明男理事長、千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の平野勝之理事長、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合の萩原勲理事長も発言。「原発事故や計画停電の痛手から立ち直りつつある矢先の値上げは、今までの経営努力を無駄にするものだ」「まず、経営努力をして、それからの値上げのお願いというのが筋ではないか」と東電の方針を強く批判した。

 東電の鎌倉執行役員は自社のリストラの現状について「当社は3千億から4千億円の資産売却を行い、人件費もボーナスを含めた総額からカットしている。さらに細かい数字は、近く出される総合特別事業計画の中でお示しする」と説明した。

 旅館側は今回の要望書への回答を東電に求めており、東電は近く回答する予定だ。

要望書を手渡す旅政連の佐藤理事長(左、右は東電の鎌倉執行役員)
要望書を手渡す旅政連の佐藤理事長(左、右は東電の鎌倉執行役員)
 
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