今年4月に新設された國學院大學の観光まちづくり学部(西村幸夫学部長)は11月15日、第3回「観光まちづくりフォーラム」を東京の同大学渋谷キャンパスで行った。「持続可能な地域の実現に向けて」をテーマに、同学部教授に来年度就任予定の吉見俊哉氏(東京大学大学院教授)の基調講演、吉見氏と西村学部長の対談、パネルディスカッションを行った。
吉見氏は自身が進める「東京文化資源区」構想を説明。東京の貴重な文化資源が集中する谷根千、上野、秋葉原、神田など東京都心北部の半径2キロ圏内を同一エリアと捉え、観光振興を図るべきと、トラム、ボートなど圏内のスローモビリティの整備、歴史的建造物を維持するための法律の適用除外を目指している。
ただ、「東京は地方に比べて危機感がないため『資源区』のようなプロジェクトを行うのは難しい」(吉見氏)と指摘。
西村氏は「地方においてイノベーティブ(革新的)な取り組みを行っている事例が(数多く)ある」と、地方における先進的な観光まちづくりの可能性に言及した。
西村氏(左)と吉見氏の対談