「復興五輪」の聖火リレーがスタート


Jヴィレッジをスタートする「なでしこジャパン」のメンバー

コースに観光・温泉地も 「地元アピール」の機会に

 東京オリンピックの聖火リレーが3月25日、福島県のスポーツ施設「Jヴィレッジ」(楢葉、広野町)からスタートした。7月23日までの121日間、ゴールとなる開会式会場の東京・国立競技場まで全ての都道府県、859市区町村を巡り、開催への機運を盛り上げる。コースには観光・温泉地も含まれ、地元をアピールする絶好の機会と沿道の関係者は期待する。

 Jヴィレッジで行われたグランドスタートセレモニーでは、地元福島県の芸能団体によるパフォーマンスが行われた。参加したのはスパリゾートハワイアンズ(いわき市)のダンシングチーム「フラガール」、相馬野馬追「標葉郷騎馬会」(浪江、双葉、大熊町)、會津田島太鼓保存会「白鼓」(南会津町)など。フラガールのキャプテンを務めるラウレア美咲さんは「福島県の復興を願い踊らせていただいた。福島の笑顔、元気、勇気をたくさんの皆さんにお届けしたい」とパフォーマンスを終えて心境を述べた。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府、開催都市、福島県の代表が顔をそろえ、聖火リレーの出発に当たりあいさつした。組織委員会の橋本聖子会長は「聖火が暗闇の先を照らす一筋の光として、希望の道をつないでいくことを願う」。丸川珠代五輪担当相は「未曽有の災害から復興を遂げつつある被災地の姿を力強く発信し、世界中に希望と勇気を届ける最高の大会にしたい」。

 東京都の小池百合子知事は「聖火リレーが希望の道となって復興を加速させ、コロナ禍からのサステナブルリカバリーの一歩となることを確信する」。福島県の内堀雅雄知事は「復興五輪は私たち福島県民にとって特別なもの。世界中の方々に元気な姿を見せて、支援を受けた恩返しをしたい」と、「復興五輪」と銘打った今回の五輪開催の意義を強調した。

 聖火リレーの第1走者は2011年のサッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表チーム「なでしこジャパン」のメンバー。岩清水梓さんを先頭に、当時の選手15人と佐々木則夫元監督がJヴィレッジ内の第1区間を走った。

 リレーは福島県内10市町村を巡り、午後5時すぎに初日の最終地点、南相馬市の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」会場、雲雀ケ原祭場地に到着。初日の最終ランナーで、地元を拠点とするエアレースパイロットの室屋義秀さんが聖火皿にトーチの火をともした。

 聖火リレーの1日の最終地点では、セレブレーションと呼ばれるセレモニーが行われる。初日の会場には抽選で当選した一般客も来場。聖火到着と地元団体や生徒らによる郷土芸能、パフォーマンスを楽しんだ。

 地元自治体の観光PRブースも出展。「わが町をアピールする絶好の機会」と売り込んだ。パンフレットを配布する南相馬市観光交流課の職員は、「昨年の相馬野馬追は関係者のみの無観客開催だった。今年はコロナが収束し、イベントが通常開催できればいい」と期待した。

 

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