「北海道を観光で盛り上げる会」、二階氏ら政官民100人超が出席

  • 2018年11月5日

盛り上げる会でガッツポーズをする出席者

 9月の胆振東部地震で北海道の観光は大きな打撃を受けたが、道内観光の復興に向けた機運醸成を図る「北海道を観光で盛り上げる会」が10月24日、東京・霞が関の東海大交友会館で開催された。政官民から100人を超える関係者らが集まり、早期の復興に力を合わせて取り組むことを誓った。

 主催は北海道観光振興機構と日本観光振興協会、日本政府観光局(JNTO)、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟(JCHA)、日本旅館協会、JR東日本、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の11団体・企業。

 会には団体・企業のトップらに加え、自民党の二階俊博幹事長(ANTA会長)、菅義偉官房長官、石井啓一国土交通相、古川貴盛農水相ら政府関係者、衆参国会議員も多数出席した。

 9月6日未明に発生した地震は最大震度7を観測。41人が死亡し、いまだ数百人が避難所生活を強いられているという。道の集計によると、9月末時点の宿泊キャンセルは114万9千人泊に上り、交通費や飲食を含む観光消費への影響推計額は356億円となっている。

 地震で落ち込んだ道内観光をてこ入れするため、国と道が計83億円を支出し、国内外の観光客の宿泊費や旅行代金などを割り引く「北海道ふっこう割」を実施。これに合わせ、官民共同で「元気です!北海道キャンペーン」も始めている。

 会の冒頭、観光団体を代表してあいさつした日観振の山西健一郎会長は「北海道の観光は日本の観光振興に対する影響が大きい。(業界が)一丸となって、復興するまで支援していく」と強調。

 地元代表の堰八義博・道観光振興機構会長は、会の開催に感謝した上で、「観光地は正常に営業し、電力供給にも支障がなく、余震発生も終息に向かっていることなどをアピールし、集客回復を目指す。震災を乗り越え、一致団結して観光の早期復興を誓う」と述べた。

 来賓の石井国交相は、10月26日から中国・蘇州で始まる「日中韓観光大臣会合」で、「北海道観光をアピールしてくる」考えを表明した。

 10月上旬に「日中与党交流協議会」で北海道を訪れたという二階幹事長は「(道内の)皆さんが温かく迎えてくれ、一緒に行った人たちも喜んでいた。お連れしてよかった」と述べた上で、「みんなで頑張って北海道を盛り立て、日本の観光がしっかりなるように持っていく」と意欲を示した。

 また、「ここに集まったのは観光の専門家ばかりだ。『集まりに顔を出しておけばよかろう』という考え方では駄目だ。(日本の観光を盛り上げるため)真面目に真剣にやってほしい」と発破をかけた。

 菅長官は「北海道の観光回復のため、112億円の予備費をつぎ込んだ。今は底を打った状況ではないか。ここにいる皆さんが一気呵成(かせい)に取り組めば対前年プラスにできる」と期待し、政府として引き続き回復に向けた支援を約束した。

 高橋はるみ道知事は、「復旧・復興のきっかけを与えていただいた。今後は自助努力として、観光資源に磨きをかけ、おもてなしの心をレベルアップし、観光客を迎えていく。観光立国の歩みの中で、北海道の役割をしっかり果たしていくことが恩返しになる」と述べた。

 会の終盤には主催団体・企業からの決意表明があり、JATAの田川博己会長は西日本豪雨のふっこう割が成果を上げていることを踏まえ、「北海道ふっこう割も成功すると確信している。これから北海道はオフ期に入るが、オフを売るのも旅行会社の役割」と商品造成に意欲を示し、参加している旅行会社のトップに協力を呼び掛けた。

 北海道観光を盛り上げる会での出席者の主な発言は次の通り。
      
 浜野浩二・日本旅館協会副会長(定山渓温泉)

 北海道のシーズンは限られており、10月で終わる。これから長いオフ(シーズン)が始まるが、ふっこう割の大胆で高額な支援が支えとなっている。また、旅行業各社にはオフ期のツアーをたくさん造っていただきたい。

 清野智・JNTO理事長

 ふっこう割はいずれ期限が切れるが、その後はANAやJAL、LCCと一緒になって北海道を対象とした共同キャンペーンを考えている。来年2月にはフィリピン航空がマニラ―新千歳間に定期便を就航させる。道観光にとって大きなチャンスであり、生かしていきたい。

 国谷一男・ANTA副会長

 われわれは全国の中小旅行業約5600社を擁している。北海道の旅行需要喚起のため、5600の会員が20人ずつ送客すれば10万人になる。総動員して北海道の1日も早い観光復興のお役に立つ。

 赤石良治・JR東日本常務

 クルーズトレイン「トランスイート四季島」が9月24日から再び北海道まで行けるようになった。ささやかだが北海道を元気にする一助になれたのでは。鉄道だけでなく、航空やフェリー会社などと力を合わせ、立体的に観光需要を増やし、総力戦で元気にする取り組みをしっかりやっていく。

 志岐隆史・ANA副社長

 北海道の雪は特別な雪であり、おいしいコメも収穫できた。日本酒やウイスキーなどもあり、ありとあらゆるチャネルを使って盛り上げていく。

 藤田直志・JAL副社長

 北海道の面積は日本の県が22個入るぐらい広い。復興のためには22倍がんばらなければならず、そのためにはチームを組んで、オールジャパンで北海道を盛り上げていくことを、皆さんとぜひやっていきたい。

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