観光経済新聞社などが加盟する日本専門新聞協会の新春講演会が1月29日、東京都内で開かれ、スポーツジャーナリストの二宮清純氏が「勝つリーダー 負けるリーダー」をテーマに講演した。二宮氏は元Jリーグチェアマンの川淵三郎氏、プロ野球南海ホークスなどの監督を歴任した野村克也氏らスポーツの分野でリーダーとして活躍した人々を事例に、「リーダーの三つの条件はパッション(情熱)、ミッション(大義)、アクション(行動力)」などと説いた。
さまざまな反対意見を押しのけて、難しいといわれたサッカーのプロ化を実現した川淵氏。ある会議で「時期尚早」「前例がない」というネガティブな意見に川淵氏は「時期尚早と言う人間は100年たっても時期尚早と言う。前例がないと言う人間は200年たっても前例がないと言う」「できないことにチャレンジして、できるようにする。それを仕事という」と発言。この発言がネガティブな空気を一掃し、川淵氏の強力なリーダーシップの下、Jリーグの立ち上げに前向きに進んでいったという。
二宮氏は「歴史にイフは禁句だが、あの名演説がなかったら、Jリーグは生まれなかったし、日本代表もこんなに強くならなかったかもしれない」と川淵氏のリーダーシップを称賛した。
講演する二宮氏