国連世界観光機関(UNWTO)と国連教育科学文化機関(ユネスコ)による「観光と文化をテーマにした国際会議」が来年12月に京都市で開催される。2015年に始まった同会議だが、日本での開催は初めて。京都の歴史と文化を観光施策に結び付けていることが評価された。
同会議は、世界の観光・文化担当大臣や関係者らが集まり、貧困の緩和や雇用の創出、自然と文化遺産を保護するために観光と文化の力をいかに活用するかを議論する。大臣会合、基調講演、分科会、宣言採択、関連イベントなどが行われる。
関係者によると、毎回千人ほどの参加者があり、大型MICEとして注目されている。
過去2回開催されており、第1回(15年)のシェムリアップ(カンボジア)では「新たなパートナーシップ」、第2回(17年)のマスカット(オマーン)では「持続可能な開発の促進」をテーマに議論された。
第3回は今年12月、イスタンブール(トルコ)で開かれ、「全ての関係者への恩恵」をテーマに話し合われる予定。
京都会議実行委員会(委員長、本保芳明・UNWTO駐日事務所代表)案によると、会議は来年12月11~13日、京都市の国立京都国際会館で開く。テーマは「多様な文化の継承と持続可能な社会に向けた観光の果たす役割」。11日はエクスカーションやレセプション、12日は会議初日となり、基調講演や大臣会合、13日は分科会、京都宣言の発表などが行われる予定。今後、UNWTOとユネスコとの間で実施案について調整する。
なお、本保氏以外の委員会メンバーは次の通り。
デービッド・アトキンソン小西美術工芸社社長、門川大作京都市長、高科淳観光庁審議官、立石義雄京都商工会議所会頭、内藤敏也文化庁長官官房審議官、西脇隆俊京都府知事、松浦晃一郎パソナグループ顧問(第8代ユネスコ事務局長)、村田純一京都文化交流コンベンションビューロー理事長、八木一夫近畿運輸局長。
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今年9月21日には京都市やUNWTO駐日事務所が主催するプレシンポジウムが東京都内で開かれた。会議には実行委メンバーのほか、UNWTO事務局長のズラブ・ポロリカシュヴィリ氏が出席、あいさつした。
ズラブ氏は「京都会議はわれわれにとって特別な会議となる。さまざまな可能性を探って、多くのアイデア、そしてイニシアチブを出し合って、ともに動き出せるような場になることを期待している」と述べた。
あいさつするズラブ氏