KNT・日旅決算、2期連続で赤字計上


 近畿日本ツーリスト(KNT)と日本旅行の08年度12月期(08年1〜12月)決算が2月25日出そろった。連結での最終損益は、KNTが37億3800万円の赤字、日本旅行が3億8300万円の赤字と2期連続で赤字を計上。また両社ともに営業損失を計上、厳しい決算となった。

KNT 10期ぶり営業損失計上
 KNTの連結決算は、営業収益(売上高)が前期比9.4%減の735億4900万円となった。営業損益は31億8600万円の赤字(前期は2億9200万円の黒字)となり、98年のサッカー・フランスW杯開催時以来10期ぶりに通期での営業損失を計上した。経常損益でも31億5700万円の赤字(同11億6200万円の黒字)に転落した。最終損益は退職手当金制度の廃止に伴う特別損失の計上などから赤字幅は縮小したものの、2期連続の赤字(同39億800万円の赤字)となった。

 KNT単体の決算は、営業収益が前期比9.4%減の601億9300万円、営業損益が23億8800万円の赤字、経常損益が21億9900万円の赤字、最終損益が34億1800万円の赤字。

 国内旅行ではNHK大河ドラマ「篤姫」の放映で注目された九州方面商品や東京ディズニーランド開業25周年記念商品が堅調だったものの、全体として振るわなかったことや、海外旅行については韓国方面商品などが好調だったものの、燃油サーチャージの高騰、経済不況の影響で売り上げが低迷したことが連結、個別ともに最終損益での赤字計上につながった。

 09年12月期の連結業績は、営業収益が前期比0.2%減の734億円、営業利益1億円、経常利益7億円、純利益1億円の見通し。個別業績の見通しは、営業収益が同3.5%減の581億円、営業利益1億円、経常利益8億円、純利益3億円。

 同社では今年度、新たにスタートした中期経営計画にのっとり、各事業ユニットが専門性、独自性、効率性を追求することで、安定的な利益を生み出せる組織作りを進める。具体的には、同社事業の中心である個人旅行「メイト」「ホリデイ」の商品力強化や、訪日外国人向け宿泊サイトの多言語化などに取り組むことで、販売拡大を図る。

日旅 経常損益は黒字確保
 日本旅行の連結決算は、営業収益が前期を6.9%下回る591億1300万円にとどまり、営業損益で11億3600万円の赤字(前期は12億9300万円の黒字)を記録した。営業損失はイラク戦争とSARSの影響で収益が減少した03年以来5年ぶり。為替差益など営業外収益を含め、経常損益で9500万円の黒字(同23億1900万円の黒字)を確保したが、法人税などを控除した後の最終損益で3億8300万円の赤字(同7億100万円の赤字)を計上した。

 日本旅行単体の決算は、営業損益で13億100万円、経常損益で2億8100万円のそれぞれ赤字(前期は営業6億5700万円、経常損益13億8700万円の各黒字)、最終損益で3億6100万円の赤字(同10億7千万円の赤字)となった。

 単体の営業収益は前期比6.1%減の502億9400万円。内訳をみると、国内旅行が同0.4%減の324億7500万円、海外旅行が同18.2%減の158億6100万円。国内は微減にとどまったが、海外は大きく減少した。このほか国際旅行が同35.0%増の12億2600万円、付帯事業が同11.9%増の7億3千万円。

 09年度の業績予想は、連結で営業収益610億円、経常利益13億9千万円、最終利益5億3千万円。単体で営業収益530億円、経常利益9億8千万円、最終利益4億2千万円。

 08年度の業績について同社は「中期経営計画(08〜10年度)の初年度として大きな課題を残した」として、09年度については「これまでの取り組みを振り返り、『再出発』のための集中対策を行う年度」と位置付け、「中期経営計画の基本方針である『選択と集中』をさらに加速化させる」としている。

 
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