KNTが中計を見直し、安定利益確保へ体制強化


 近畿日本ツーリスト(KNT)は11日、昨年8月11日に発表した中期経営計画修正と今年2月17日に発表した「個人旅行事業の方向性と施策」の進捗を踏まえ、新たな施策と財務目標を打ち出した。2013年度の連結経常利益目標は55億円。個人旅行専門の戦略立案部門をつくるなどして顧客ニーズと市場の変化に的確に対応し、同時に効率性を徹底的に追求。4千億円超の規模を維持してきた同社の売上高が3800億円規模に縮小しても、安定的に利益を出せる体制の確立を図る。

 08年11月に発表、昨年8月に修正した中期経営計画のうち、11年度の連結営業収益、営業損益、経常損益は下方修正。12年度目標では、店舗撤退に伴い売上高の減少を見込むものの、経費削減効果などから営業利益、経常利益目標は上方修正した。

 施策面では、個人旅行事業で、来年1月をめどに国内、海外、ウェブ、提携販売すべての企画から販売までの戦略を立案する部門を創設し、個人旅行事業の運営体制の強化を図る。

 2012年度の売上高目標として400億円を掲げ注力しているウェブ販売については、来年1月にウェブ商品の販売、掲載、企画を1部門に集約。人員も2012年までに、現状の170人から300人体制へ増強し、豊富な商品の開発と、スピーディーな商品掲載を実現する考え。またウェブに掲載する同社企画旅行商品ブランド「メイト」「ホリデイ」の商品もさらに増やし、現状で8%程度のウェブ販売比率を2013年度に24%まで拡大。ウェブ販売の売上高を2013年度に500億円まで引き上げる考えだ。

 店頭販売部門については、地方拠点を中心に需要の縮小が見込まれる拠点の縮小、撤退を進めると同時に、東京、名古屋、大阪などの大都市圏への大型店舗の出店を進め、大都市圏での営業力強化を図る。

 オペレーションの面では、来年夏をめどに販売系新基幹システムを稼働させ、経理面や手配面の人員を圧縮するほか、電話予約や発券にかかわる部署を集約し、低コスト化を推進。

 このほか、中国での事業拡大やスポーツビジネスの強化も進める考えだ。

 
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