近畿日本ツーリスト(KNT)は総合宿泊予約サイト「ステイプラス」を11月30日に閉鎖する。楽天トラベルやじゃらんネットといった宿泊予約サイトに追随する形で3年ほど前から大手旅行各社がいわゆる「場貸しサイト」のビジネスモデルに参入してきたが、撤退を決めたのはKNTが初めて。同社は次期中期経営計画でウェブでの個人旅行販売や訪日ビジネス事業を重点分野に位置づけており、今後はステイプラスに投入していた資本を重点分野や他のウェブ宿泊予約部分に振り向けることで、ウェブ販売の取り扱い拡大を図る。
10月14日、同サイト上に閉鎖についての告知文を掲載し、サイト利用者に対し知らせた。10月30日までの間、11月31日宿泊分までの宿泊予約を受け付ける。
同社では旅行業を取り巻く環境の激化により迅速な事業の「選択と集中」を進める中で、場貸しサイトの事業で先行他社の優位を覆す見込みがないことなどから、8月上旬にステイプラスを終了する方針を決定。8月から9月中旬にかけ参画宿泊施設に対してサイト閉鎖について説明を進めていた。
同社では場貸しモデルのステイプラスとは別に、ウェブサイト「KNT!」内で、事前決済型の「メイト宿泊プラン」、現地決済型の「Eクーポン」を取り扱っている。今後は、最も商品量と在庫数の多い、メイト宿泊プランの販売商品を拡充するほか、Eクーポンでは「ウェブスペシャル」などの形でウェブ限定商品を充実させ、同社の宿泊在庫を生かしたウェブ商品の販売拡大を図る考えだ。
ステイプラスは07年1月に正式オープン。近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟の会員施設に加え、非会員施設の宿泊プランも掲載し、手数料6〜8%で販売している。
観光経済新聞社が行った今年1月の宿泊予約サイト調査によると、契約施設数は7200軒で、会員数は7万人、総予約宿泊数は非公開となっている。
終了告知が載るトップ画面