JTB協定旅館ホテル連盟は8、9日の2日間、会員旅館・ホテルの人材育成を目的にした08年度第2回「トップマネージメントセミナー」を東京都多摩市のJTB研修施設で開いた。「地域力を活かした攻めの商品力づくり」がテーマで、基調講演では瑠璃光(石川県・山代温泉)の萬谷正幸社長が講師を務め、今の経営には「品質と価格のバランスが重要」などと見解を示した。
評判の高い瑠璃光、葉渡莉の2館を経営する萬谷社長は、自身の経営ノウハウを惜しげもなく、歯切れ良い口調と軽快なテンポで紹介。商品力向上のためのポイントとして特に品質と価格のバランスを挙げて、「お客さまの納得のいく価格で、お客さまの納得のいく価値を提供できるかが課題だ」と強調した。
また、萬谷社長は、加賀市観光協会の会長で地域振興にも努めていることもあり、観光地づくりのポイントに関しても話が及び、「産業観光やMICEの強化も1つの切り口」などと語った。
トップマネージメントセミナーではこのほか、観光庁の奈良裕信・観光産業課課長補佐が「観光庁の動向と宿泊産業に関連する施策について」、JTBの清水愼一常務取締役が「地域交流ビジネスが変える魅力ある旅館・ホテルづくり」をテーマに講演。あゆの里(熊本県・人吉温泉)の有村充広社長室長、サロマ湖鶴雅リゾート(北海道北見市)の我妻龍雄支配人、ホテル鞠水亭(静岡県・浜名湖かんざん寺温泉)の稲葉大輔専務取締役による事例発表もあった。
北海道から沖縄までの約40人が受講した。