JTB商事は5日、宿泊施設向けに「朝ごはん改革セミナー」を東京・文京区の同社会議室で開いた。旅館経営人材育成アカデミーの後援を得て実施。一般が1万500円の受講料をJTB旅ホ連会員は無料に設定したこともあり、募集定員30人を大きく上回る100軒・170人が応募。会場サイズの都合で今回は60人の参加となったが、旅館ホテル経営者の「朝ごはん」に対する関心の高さがうかがえた。
同社企画設計室の新島崇コンサルタント=写真=は「数字やデータからみる朝食考」を講演。健康志向ブーム、朝型生活者の増加などで「朝ごはん」に注目が集まっている現状を紹介。JTBの販売実績で1泊朝食付きプランの販売シェアが増加していることなどからも、「宿泊客の朝食に対する期待感が高まっている」と指摘した。その上で「朝食は今までのように夕食の陰に隠れた存在ではなくなる。(宿は)宿泊客の意識、知識の変化に対応する必要がある」と話した。
フードジャーナリストで食文化研究家の向笠千恵子氏は「宿泊施設の素敵な朝ごはん」と題して、同氏が取材した、全国の宿泊施設の特色のある朝食を写真で詳細に紹介。ホテルコムズ銀座の矢吹淳男料理長は、2年間かけて自費で全国の産地を訪問し、生産者と交流を深め、産地直送の「朝食ブッフェ」を創りあげた経験談やその朝食内容などを語った。
また同社企画設計室の小輪瀬博子コンサルタントは「現場と原価と常識を見直そう」の演題で原価コントロールなどについて解説した。