JTBは9日、NTTドコモと共同で、観光地をバーチャル散歩できる歩数計アプリ「歩いておトク」の利用者を現実の観光ツアーに誘致する「地域観光促進サービス」の提供を開始した。自治体に向け提案する。
歩いておトクは、NTTドコモのグループ会社であるドコモ・ヘルスケアが提供している歩数計アプリ。累計250万ダウンロードされている。
新サービスは、アプリ利用者が地域での散歩をバーチャル体験すると、JTBが企画したその地域の観光ツアーで使える特典をアプリ利用者にプレゼント。JTBの観光ツアー申し込みサイトへと誘導する。
自治体側は、新サービスの活用で、多くの人に地域観光資源の情報を提供し、魅力を感じた人が実際に地域を訪れてもらえるようにする。旅館・ホテルなどの地場企業、観光協会、飲食店、商工会議所、農園などと連携することで、地域独自の観光体験ができる環境やおもてなし体制も整備できる。観光客誘致によって地域活性化を図れる。
第1弾として、奈良県三郷町と大阪府柏原市で新サービスを導入。両地域にまたがり、日本遺産認定をめざしている龍田古道を中心とした観光資源をアピールする。ドコモの顧客基盤を活用したメールプロモーション、デジタルアンケートなどを実施し、地域の魅力を広く発信していく。
例えば、柏原ワインで有名な地元ワイナリーとのコラボ企画や、日本最古の官道として奈良時代の歴史を感じることのできる龍田古道をメインとしたモデルコース企画など、地域の魅力を体験できる体験型の観光コンテンツの開発も進める。
今後両社は、ツアー実施後の検証を通じた地域集客力の向上、インバウンド向けプロモーションの実施、ツアー企画を通じて得た知見を活用した観光促進戦略立案などを進め、観光を通じた地域の魅力発信、地域経済の活性化を継続的に実施・運用できる仕組みの構築を目指す。