JTBは、国内旅行で価値ある商品を創造し、提案する旅行会社を目指して、国内商品事業本部を分社化。国内旅行に関する仕入れ、商品企画、商品造成を目的とする新会社「JTB国内旅行企画」を設立する。運営開始は来年4月1日。企画性ある商品を造成するため、買い取りや販売保証などリスクを負った仕入れの確立も図る。
新会社は、宿泊施設、交通機関、土産物・観光施設などの仕入れ、個人向け「エース」、団体・グループ向け「Aユニット」の募集型企画旅行の商品企画、造成を手掛ける。
14年度の売上目標は約3千億円。社員数は約千人。グループ内で最大規模の会社となり、社長には常務クラスをあてると見られる。20年度には5千億円の売上高を目指す。
15日に行われた記者発表でJTBの田川博己社長は「既存のものだけを売っていれば安売り競争になってしまう。新しい価値を見つける作業をしなければならない。旅行会社のメーカー機能を再構築するための挑戦だ」と強調。地域活性に取り組むまちを訪れる旅行商品「地恵(ちえ)のたび」や地域活性化イベント「杜の賑い」など、魅力あるJTB独自の企画を拡充する考えだ。
価値の高い旅行作りに向けた仕入れには、MD(マーチャンダイジング)機能の強化のほか、買い取りなどリスクを負うことが課題になると田川社長。「新会社の中で背水の陣で実現する。本当にいいものが売れないのでは困る。旅館・ホテルなどサプライヤーの皆さんもリスクを負う覚悟をもってほしい」と語った。