JSTHEが第10回記念総会開催、声明文を発表


基調講演する岡本教授

基調講演する岡本教授

 日本観光ホスピタリティ教育学会(JSTHE、清水誠会長=中村学園大学短期大学部長・教授)は5、6日の2日間、第10回記念総会を立教大学新座キャンパスで開いた。2002年の同学会設立時に発起人会の中心人物であった岡本伸之・帝京大学教授・立教大学名誉教授が「日本における観光ホスピタリティ教育の過去・現在・未来」と題して基調講演を行ったほか、10回大会を記念した声明文を出した。

 立教大学の初代観光学部長も務めた岡本教授は「立教大学に観光学科ができた1967年当時、他には東洋大学短期大学に1963年創設のホテル観光学科があっただけだったが、現在では観光系学部・学科のある大学が41校、観光系コースのある大学が47校、観光系コースなどがある短期大学が36校と合計124大学に観光系の学部・学科・コースがある。ただ米国型のホスピタリティ・マネジメントを教える学部・学科は皆無に等しい」と指摘。観光ホスピタリティ関連学部・学科が今後進むべき方向性として、(1)観光関連事業の経営管理予備軍の養成(2)観光と観光地経営に通暁した専門人材の育成(3)教養としての観光学教育(4)観光分野に特化した専門職大学院──の4つを示した上で、「(いずれを標榜するのか)旗幟鮮明にすべき」と話した。

 続いて、鈴木勝・桜美林大学教授を司会者に、坪田知広・観光庁観光地域振興部観光振興課地域競争力強化支援室長、安田彰・亜細亜大学教授、庄司貴行・立教大学教授の3氏が登壇。シンポジウム「観光ホスピタリティの社会的責任」を開いた。

 学会ではさまざまな研究論文発表、教育実践報告、ワークショップを実施。また、第10回記念大会における声明として、(1)観光ホスピタリティ教育は、特に理論と実践の融合が求められ、研究と教育を通じて社会で活躍できる人材の育成を目指す(2)教育ニーズの変化や政策・産業界の動向を見極めながら、各研究教育機関が、それぞれの立場を尊重しつつ、相互に連携をとった教育を追求する(3)多様なバックグラウンドをもつ会員が教授法や教育実践の手法を学び合うなど質の高い教育を実現する訓練の場とする(4)広く国際的な視野を持つとともに地域社会との交流と貢献を視野において教育を推進する(5)ホスピタリティは、観光教育のみならず社会のあらゆる場面のコミュニケーションに欠かせない要素であることを念頭において研究教育にあたる──の5点を宣言した。

基調講演する岡本教授
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