スポーツをテーマとした観光の活性化を目的に今年4月に発足した一般社団法人の日本スポーツツーリズム推進機構(JSTA)は1日、東京都新宿区の早稲田大学大隈小講堂で設立記念シンポジウムを開いた。会員の旅行会社や地方自治体の担当者などを中心に約160人が参加。地域活性化や国際交流につながるスポーツ観光のあり方を考えた。
スポーツ観光は、政府の観光立国推進本部で取り上げられ、観光庁を中心に推進基本方針を策定した。今年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画、またスポーツ基本法に基づき文部科学相が策定したスポーツ基本計画の中に施策の方向性も盛り込まれている。
JSTAの主な事業は、スポーツツーリズムに関する(1)地域などのネットワークの構築(2)旅行商品の普及、造成の支援(3)国内外への情報発信──など。また、国際スポーツ大会の招致、開催などへの協力も行う。
あいさつしたJSTAの原田宗彦会長(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)は、事業の推進について「ネットワークの構築では地域のスポーツコミッションなどと連携していく」「スポーツを活用した旅行商品の造成支援では、会員のネットワークの中から生まれるアイデアを商品化につなげたい」と説明した。
シンポジウムでは前観光庁長官で内閣官房参与の溝畑宏氏が講演。パネルディスカッションも開かれ、高橋義雄・筑波大学体育系准教授を進行役に、原田会長をはじめ、日本航空マーケティング本部宣伝部の宍倉幸雄部長、観光庁の志村格審議官、共同通信情報企画本部の吉永憲氏が登壇。JSTAへの今後の活動に期待の言葉を送った。
原田宗彦会長