JR東海グループの広告会社ジェイアール東海エージェンシーは、日本の文化や美しい風景を記録し、インターネットを通じて世界に紹介する動画配信事業「ニッポンアーカイブス」を行っている。同社では旅行需要の喚起や地域のブランド構築に寄与するとして、観光客を誘致したい全国の自治体などに利用を呼びかけている。
「ニッポンアーカイブス」(http://nipponarchives.jp/)は08年に開設。サイト内に番組ごとのサイトを設け、約3分間の短編番組を収録している。番組は美しい映像とオリジナルの音楽、ナレーションで構成されている。制作本数、配信のタイミングは番組制作のスポンサーとなる自治体や企業の意向に沿って柔軟に対応する。
サイトの閲覧者は好みの番組を無料で視聴できるほか、手持ちのパソコンや携帯端末に無料でダウンロードできる。好きな時に好きな場所で番組を見てもらえる。
現在の番組は、「万葉集」(JR東海提供)、「京都二十四節気」(京福電鉄提供)、「富士山」(静岡県提供)、「美しき日本奈良」(奈良県提供)の4つ。3月末には「明日の遺産九州」が加わる予定だ。
このうち「万葉集」は、万葉集に詠まれた風景を歌のナレーションとともに分かりやすく紹介する内容。古典ファンに限らず幅広い人気を博している。
同社によると、番組の視聴回数は、4番組合計で月間約140万回(2月)。特に30〜50代の男女を中心とした知的好奇心の高い人々が定期的に閲覧。スポンサー名の認知度も高い。
また、番組の視聴後、「その場所へ旅行をした」と答えた人が全体の16%に上っている。
制作された番組はスポンサーが2次利用できる。再編集し、旅行会社への映像提供やイベントでの映像放映、番組のDVD販売なども可能だ。
同社では新しい形のセールスプロモーションとして、同サイトの活用を全国の自治体などに広く呼びかけていく。
同社TEL03・6688・8475。
「ニッポンアーカイブス」の画面(富士山)