JNTO事業仕分け、誘客3事業は「民間に」


JNTOの事業に対する仕分け

JNTOの事業に対する仕分け

 政府の行政刷新会議による独立行政法人(独法)の事業を対象にした事業仕分けで、4月28日、日本政府観光局(国際観光振興機構、JNTO)の4事業が議論された。評価結果は、海外メディアの招請などの3事業が「国に戻して民間に委ねる方向」と判断されたほか、JNTOが直営する総合観光案内所(TIC)の運営事業が「廃止」を求められた。

 観光旅客来訪促進業務としてJNTOが実施している(1)ウェブサイトによる海外宣伝、メディア広報(2)海外メディアや旅行会社の招請事業(3)海外の旅行会社などに対する訪日ツアーの造成・販売支援事業──の3事業に対する評価結果は、「国に戻して国としてロードマップを企画立案、その上で民間に委ねるべきものは民間に委ねる方向で早急に検討」とされた。

 外国人旅行客の受け入れ体制整備事業も評価の対象。同事業では、地方自治体などが運営する観光案内所を「ビジット・ジャパン案内所」に指定しノウハウを提供しているほか、TIC(東京・有楽町)を運営し、外国人への情報提供や旅行動向調査に活用している。しかし、「独法直営の受け入れ体制(外国人観光案内所)は廃止」とTICの直営事業の廃止を求められた。

 とりまとめ役の蓮舫参院議員は、来訪促進業務の3事業について「競争入札に独法が応札することが分からない、民間に任せても十分だ、観光庁の企画立案がしっかりできていないので独法がやるべき業務が明確になっていないなど、評価者の意見はほぼ同じだ」と指摘し、見直しを求めた。

 仕分けでは、JNTOを所管する観光庁の武藤浩次長、甲斐正彰審議官が説明にあたり、「インバウンドのノウハウを最も蓄積しているのがJNTO」「JNTOは海外の情報を継続的に収集し、その情報に基づいて観光庁は政策を立案している」とJNTOの事業の重要性を訴えた。

 JNTOの間宮忠敏理事長も事業の成果などを説明。仕分け終了後、記者の質問に答え、「限られた時間の中で説明できたか分からないが、民間には民間の、JNTOにはJNTOの役割がある。今後も観光庁とともに戦略的に仕事をしていきたいと考えている」と述べた。

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