JNTO、訪日誘客にデジタル活用を強化


インスタアカウント開設の記念イベント。能を撮影OKにしてインスタグラマーに投稿を促した

 日本政府観光局(JNTO)は、訪日外国人旅行者の誘客拡大に向けてデジタルマーケティングを強化している。専門部署を12日付で設置。写真、動画を共有できるSNS、インスタグラム(Instagram)の公式グローバルアカウントを開設したほか、訪日観光情報アプリ「Japan Official Travel App」の提供も始めている。

 グローバルマーケティング部内に、専任担当者10人を配置した「デジタルマーケティング室」を新設。デジタルテクノロジーを活用した情報発信の強化、データの取集や分析、ビッグデータを保有する外部事業者との連携などに注力する。今年度中にはグローバルウェブサイトも刷新する。

 情報発信の新たなチャネルとして、インスタグラムの公式グローバルアカウント「@visitjapanjp」を2日に開設。日本の「今」「旬」の魅力を発信するとともに、新たな観光素材の掘り起こし、口コミの拡大につなげる。国内外のインスタグラム利用者に日本の魅力を切り取った写真をハッシュタグ「#visitjapanjp」を付けて投稿してもらい、特に優れた写真を毎日1枚ずつ公式アカウントで紹介していく。

 アカウント開設を記念したPRイベントを2日、東京・銀座の観世能楽堂で行った。魅力的な画像の投稿で国内外にファンを持つ、日本在住外国人を含めたインスタグラマー約30人を招待。写真の投稿を促そうと、能を撮影できる特別な機会も設けた。

 イベントでは、JNTOの柏木隆久理事が「SNSユーザーと共に訪日旅行をつくっていく時代になった。ハッシュタグを付して日本の魅力を発信してほしい」。観光庁の田村明比古長官は「インスタグラムによってサプライサイド(供給側)が気付かなかった魅力が掘り起こされる。訪日旅行の新しいストーリーが提供されることを期待する」とあいさつした。

 インスタグラム側では同日、JNTOのアカウント開設に合わせ、日本のまだ知られていない文化や風景などの写真や動画をハッシュタグ「#UnknownJapan」を付して投稿してもらうキャンペーンを開始。年末には魅力的な投稿を集めた展示会の開催も計画している。

 また、訪日外国人旅行者向けの観光情報アプリの提供を9月21日にスタートさせた。全国の観光情報をはじめ、飲食店や移動の検索機能などを民間企業と連携して提供している。JNTOウェブサイトから無料でダウンロードできる。対応言語は英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)。

 全国の観光情報は、外国人ライターを活用し、言語別に定期的に発信。訪日外国人向けに観光情報を提供する民間企業コンソーシアム「LIVEJAPAN」などからも記事コンテンツの提供を受けていく。

 検索機能では、ぐるなびと連携した飲食店検索、ナビタイムジャパンの技術協力による移動経路検索などの機能を提供。観光庁が提供する災害情報の提供サイトとも連携している。

 今後は、多機能トイレの位置情報、ムスリム旅行者向けの情報なども順次追加する。宿泊施設に客室備え付けのレンタルスマートフォンを提供しているhandy Japan社とも連携し、アプリを普及したい考えだ。   

 
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