日本政府観光局(JNTO)の外国人向け総合観光案内所(=TIC、ツーリスト・インフォメーション・センター)が2日、新装オープンした。運営業務を三菱地所(本社・東京都千代田区)に委託。開設場所は東京・有楽町の交通会館10階から、同・丸の内の新東京ビル1階に移転した。ブランドショップなどが軒を連ねる仲通り沿いの好立地で、旅行者の利便性が向上しそうだ。
TICの運営委託は、2010年4月に行われた独立行政法人に対する政府・行政刷新会議の事業仕分けを踏まえ、JNTOの直営廃止が決まり、委託先を企画競争入札で選定した。JNTOが監督し、日本全国の観光情報を提供する公的、中立的な案内所という位置づけは変わらない。
立地は丸の内仲通りに面した路面区画。JR東京駅や有楽町駅、地下鉄5路線の駅から徒歩でアクセスが可能。面積は85.8平方メートルで対面案内のデスクやパンフレットラックがある。英語、韓国語、中国語による観光案内を基本に、元日を除き年中無休で営業する。
TICの2階には、三菱地所がセミナー・ギャラリースペース「marunouchi cafe SEEK」を開設。外国人観光客を主なターゲットとして日本文化の発信などに活用する。イスやテーブルを配し、日本に関する図書などを常備している。さまざまなイベントを開く予定で、3月末までは福島県をテーマにした書道のアート作品を展示している。
10日にはオープンセレモニーが開かれ、JNTOの松山良一理事長、三菱地所の飯塚延幸副社長、観光庁の溝畑宏長官が出席してテープカットが行われた。あいさつで松山理事長は「立地がよく、周辺はそぞろ歩きができる環境にある。外国人旅行者のオアシスとなるような案内所にしたい。外客数を1千万人、将来は2千万、3千万人にできるよう、案内所をはじめとする受け入れ態勢の整備に取り組んでいく」と述べた。
オープンを祝うテープカット