
広島平和記念公園内の広島市観光案内所を見学
日本政府観光局(JNTO)は、外国人向け観光案内所のサービス向上などを支援するため、地方ブロック別の研修会を始めた。初の試みとして、国土交通省中国運輸局と共同で、9月27日に中国地方の認定案内所を対象とした研修会を広島市で開催。訪日市場の動向を解説するとともに、案内所間の情報共有なども促した。他の地域でも地方運輸局と連携して研修会を開催していく考えだ。
JNTOは、観光庁が定めた指針に基づき、2012年度から外国人向け観光案内所を立地・機能別に区分して認定する新たな制度を運用している。更新制を導入するなど観光案内の質の向上、受け入れ態勢の整備を目指している。現在の認定案内所数は全国に342カ所。
これまでJNTOは、観光案内所を支援する事業として、年1回、東京で総合研修会を開いてきたが、地域の実情に応じた研修、地域の観光案内所間の情報共有の必要性から、地域ごとの研修会をスタートさせることにした。
中国地方を対象にした研修会には、広島、岡山、山口、鳥取、島根の5県の案内所から27人が参加した。中国地方の認定案内所数は27カ所で、区分の内訳は、広域情報拠点に位置づけられている「カテゴリー2」が6カ所、地域情報拠点の「カテゴリー1」が16カ所、外国人旅行者の受け入れ意欲の高い「パートナー施設」が5カ所となっている。
研修会では、JNTOや中国運輸局が訪日外国人旅行者の動向について最新情報を解説したほか、認定案内所の運営を支援する事業などを説明した。観光案内の質を高め、広域観光を促進しようと、観光案内所からの参加者による情報交換の場も設けられた。
情報交換は「中国地方を周遊する外国人旅行者に対するサービスの向上に資する情報共有と連携促進について」がテーマ。日々の案内業務での成功事例や改善が必要な問題点などについて意見交換した。
広島市内では現地視察も行われた。年間を通して多くの外国人旅行者が訪れる広島平和記念公園内の広島市観光案内所、多言語表示などの受け入れ環境整備が進む広島バスセンターなどを見学した。
地方ブロックでの研修会についてJNTOは「他の観光案内所の活動を知る機会が少ない担当者もおり、研修会は情報交換や域内連携を促す契機にもなるのではないか。今後も、認定観光案内所のネットワーク機能の向上、受け入れ対応力の強化に努めていきたい」と話す。

広島平和記念公園内の広島市観光案内所を見学