日本旅行業協会(JATA)の外国人旅行委員会(委員長=田辺豊・農協観光社長)は6月25日、観光庁へ訪日外国人客の増加に向けた要望書を渡した。査証が免除されていないVJC対象市場への査証緩和など9項目について、観光庁や関係各省庁による早急な実現を求めた。
要望書では、VJC対象市場である中国、タイ、マレーシア、ロシア、インドの査証緩和措置が必要とした。煩雑な手続きの簡略化や旅行準備期間の短縮によって、「訪日旅行への関心が高まり、需要の拡大が見込まれる」と効果を予測する。短期滞在の査証が免除となった台湾や韓国からの訪日客が前年比3〜23%伸びたことを根拠に挙げた。
特に中国は、観光、商用目的とも訪日旅行市場が拡大するとして最重要対象国と指摘。「特区制度を活用し、中国人の旅行先として人気のある沖縄で査証免除の実証実験を求める」と踏み込んだ提案も行った。
項目の2番目に、MICEにかかわる公的施設の使用条件の緩和を要望している。例えば、国内外のMICE関係者が気軽に情報提供を受けられる体制を整備することにより、企画・運営準備のスピード化が図られ、「各国との競争の優位性が増す」と見込む。
ほか7項目は、訪日教育旅行の受け入れ相談窓口の充実と公立校の積極的な受け入れ態勢に向けての環境整備▽業界が望むビジネス上必要なデータの情報開示と新規取得の推進▽主要駅ターミナルの貸切バスの乗降場所の確保▽入国審査の簡素化、柔軟な対応化による「日本の玄関」としてのイメージアップ▽主要空港での際内ハブ機能や旅行会社カウンタースペースの充実化とハブ空港や主要駅の案内機能の充実▽外国での日系旅行会社の営業活動の規制緩和▽その他──。