日本航空(JAL)はこのほど、今年10月に同社グループ内旅行3社の営業部門を中心とした組織再編を行う方針を固めた。海外旅行専門会社のジャルパック、国内旅行専門会社のJALツアーズの販売業務を航空券の販売や旅行商品の販売を行うJALセールスに移管し、グループの販売部門を集約する。営業担当社員の営業力とサービスの質向上が目的。重複業務の一元化で業務を平準化しコスト削減を実現する狙いもある。
ジャルパック、JALツアーズの販売部門の社員と、JALの地域支店の営業担当者の合計約1千人をJALセールス4社(JALセールス、JALセールス北海道、JALセールス西日本、JALセールス九州)に出向させる。
統合後のJALセールスの会社規模は約2千人を予定する。
販売業務を1社に集約し営業担当者が扱える商品の幅を広げることで、顧客の求める旅行商品に柔軟に対応できるような体制を整える。
JALグループは99年にJALストーリー(現・JALツアーズ)とジャルパックの旅行販売部門を再編し、JALグループの旅行販売と航空座席の販売を行う「ジャルセールス・ネットワーク」(現・JALセールス)を創設している。以来JALツアーズの販売業務は基本的にJALセールスが担っており、「今回の再編で社内体制に大きな変化はない」とJALツアーズ広報担当と話す。
一方、ジャルパックについては、99年以降順次札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の各支店業務をJALセールスネットワークに業務委託したが、06年に支店業務を再度ジャルパックに一元化するなど、再編を繰り返している。
99年の旅行販売部門の再編との違いを、「99年の再編はJALを母体としたものだったが、今回の再編はJALセールスを全面に押し出したものとなる」とJAL広報部は強調する。
今回の再編を契機にJALグループ全体の旅行商品や航空券の販売会社としてJALセールスを位置づけて露出度を高め、同社グループの販売窓口として利用者への浸透を図っていく考えだ。