J.D. パワー、「2023年ホテル宿泊客満足度調査」の結果発表


 J.D. パワーは11月22日、「2023年ホテル宿泊客満足度調査」の結果を発表した。

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度調査℠の結果を発表した。
今回で17回目の実施となる本調査は、2019年以来中断していた「アップスケールホテル部門」の調査を再開し、「ミッドスケールホテル部門」、「エコノミーホテル部門」の3部門での調査を行った。

「料金」評価を中心として宿泊客満足度は低下
政府による全国旅行支援の実施、新型コロナウイルスの5類感染症移行後の人流の活発化、訪日外国人宿泊者数の急激な増加などの要因により、ホテルの客室稼働率はコロナ禍前の水準に回復しつつある。
宿泊客満足度は、前々回調査(2021年11月発表)と前回調査(2022年11月発表)ではコロナ禍前の2019年を大きく上回っていたが、今回は前回調査に比べ、「ミッドスケールホテル部門」では-30pt、「エコノミーホテル部門」では-19ptと低下が見られた。なお、2020年は調査を実施していない。
両部門で「料金」ファクターの評価の低下幅が最も大きく、「ミッドスケールホテル部門」で-36pt、「エコノミーホテル部門」で-27ptとなった。本調査における平均宿泊料金は、2021年に調査開始以来の最低料金となり、2022年にはそこから1,000円前後の上昇が見られた。今年はさらに「ミッドスケールホテル部門」で約2,200円、「エコノミーホテル部門」で約1,400円の上昇が見られ、両部門において調査開始以来最高値の料金水準となった。料金の大幅な上昇に加え、宿泊客数増加が起因と見られるスタッフ対応品質、客室清掃の質などのサービス水準の低下も見られ、コストパフォーマンスが悪くなっていることが満足度低下に直結しているといえよう。
しかしながら、今回より調査を再開した「アップスケールホテル部門」を含め、いずれの部門においても宿泊客満足度はコロナ禍前の19年を10pt以上上回り、「再宿泊意向」も宿泊客満足度と同様の動きを示し、コロナ禍前よりも高いレベルを持続している。今後も旺盛なインバウンド需要により宿泊料金上昇の可能性があるが、その中でいかにして宿泊客満足度の低下を抑え、再宿泊意向の水準を維持できるかが注目される。

朝食の評価は向上するも、喫食率は停滞
宿泊料金が上昇する中にあっても宿泊客満足度がコロナ禍前よりも高い水準に留まっている主な要因の1つに、朝食を中心とした「料飲」ファクターの評価の高さがあげられる。満足度を測定している7つのファクターのうち、19年と比較して3部門共通で最も評価が向上しており、中でも朝食の「料理・飲み物の種類の豊富さ」や「テーブル・椅子などの設備」の項目で共通して大きく向上していることがわかった。
コロナ禍前から朝食に力を入れているホテルブランドも多く見受けられてきたが、今回の調査でも、「地域の特産や季節を感じられる料理・飲み物の提供があった」と回答した宿泊者が「アップスケールホテル部門」や「ミッドスケールホテル部門」では半数を超えていた。これらの提供の有無は朝食満足度(1,000ポイント満点)に大きく影響し、全部門において、提供があった場合の朝食満足度は、なかった場合よりも100pt以上上回っている。
加えて、朝食をとった宿泊者は、朝食をとらなかった宿泊者に比べ、総合満足度が高くなることも確認されており、魅力的な朝食を提供し、それを宿泊客に体験してもらうことが総合満足度向上につながると考えられる。
しかしながら、現状の朝食の喫食率は「アップスケールホテル部門」で67%、「ミッドスケールホテル部門」で53%、「エコノミーホテル部門」で63%と、いずれも2019年を5pt以上下回っている。朝食の質や評価が高まっているのに対し、依然として喫食率には向上の余地が見られることから、朝食を始めとした「料飲」の更なる充実や喫食率向上策の実施による、宿泊客満足度の維持・向上への寄与が期待される。

J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。

<アップスケールホテル部門>(対象20ブランド)
第1位:ヒルトン(762ポイント)
「客室」、「ホテル施設」、「予約」の3ファクターで最高評価。
第2位:京王プラザホテル(760ポイント
「料飲(F&B)」、「料金」、「ホテルサービス※」の3ファクターで最高評価。
第3位:ホテル日航(759ポイント
「チェックイン/チェックアウト」、「ホテルサービス※」の2ファクターで最高評価。
※京王プラザホテルとホテル日航の「ホテルサービス」ファクターのスコアは同点。

<ミッドスケールホテル部門>(対象15ブランド)
第1位:OMO by 星野リゾート(747ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「客室」、「ホテル施設」、「チェックイン/チェックアウト」、
「料飲(F&B)」の4ファクターで最高評価。
第2位:リッチモンドホテル(725ポイント
第3位:ベッセルイン/ベッセルホテル/ベッセルホテルカンパーナ(724ポイント
「料金」ファクターで最高評価。

<エコノミーホテル部門>(対象14ブランド
第1位:スーパーホテル(712ポイント)
9年連続※の総合満足度第1位。「料金」、「チェックイン/チェックアウト」、「ホテル施設」、「ホテルサービス」の4ファクターで最高評価。
※調査実施年ベース(2020年は調査を実施していない)
第2位:ヴィアインホテル(703ポイント
「客室」ファクターで最高評価。
第3位:アパホテル(686ポイント
「料飲(F&B)」ファクターで最高評価。

《J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度調査℠概要》
年に1回、日本全国のホテルグループ・チェーン*1を対象に、直近1年間に宿泊したホテルに対する満足度を
聴取し明らかにする調査。今回で17回目の実施となる。ホテルの提示する正規宿泊料金や客室面積を基に
「アップスケールホテル部門」、「ミッドスケールホテル部門」、「エコノミーホテル部門」の3部門に分け、それぞれにおける宿泊客満足度を測定している。
■実施期間:2023年9月中旬~下旬

■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近1年以内にホテルに宿泊した人(20歳~74歳)
■調査回答者数:アップスケールホテル部門:6,812人  ミッドスケールホテル部門:5,505人
エコノミーホテル部門:5,264人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評
価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に
対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【アップスケールホテル部門】正規料金の最多価格帯15,000円以上35,000円未満
「客室」(19%)、「料飲(F&B)」(18%)、「ホテル施設」、「料金*2」(共に17%)、「チェックイ
ン/チェックアウト」、「ホテルサービス*3」(共に13%)、「予約*4」(2%)
【ミッドスケールホテル部門】正規料金の最多価格帯9,000円以上15,000円未満、もしくは最多価格帯が9,000円未満かつ最多客室面積が15㎡以上
「客室」(24%)、「料金*2」(18%)、「ホテル施設」(17%)、「チェックイン/チェックアウト」(15%)、「ホテルサービス*3」(13%)、「料飲(F&B)」(12%)、「予約*4」(1%)
【エコノミーホテル部門】正規料金の最多価格帯9,000円未満かつ最多客室面積が15㎡未満
「料金*2」(21%)、「客室」(18%)、「チェックイン/チェックアウト」、(16%)、「ホテル施設」(15%)、「ホテルサービス*3」、「料飲(F&B)*5」(共に14%)、「予約*4」(2%)
*1国内で10棟以上を統一ブランド名で運営しているホテルで総客室数が1,500室以上かつ、事前調査により一定水
準のサンプル数を満たしたブランド
*2客室料金、通話料金、F&B料金など滞在中に費やした費用全体の評価
*3レジャー/フィットネス、温泉・浴場、ビジネスセンター等の施設やインターネット接続等の附帯サービス全体の評価
*4電話及びウェブサイトを通じホテルもしくはホテルグループ・チェーンに直接行った予約の評価
*5エコノミーホテル部門では、レストラン・バー・ラウンジ施設を附帯しないホテルブランドを考慮し「朝食」として提供される料理や会場・レストランの評価を採用
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。


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