JTBは3日、ゴールデンウイーク(GW、出発日基準4月25日〜5月5日)の宿泊旅行動向の見通しを発表した。日並びは後半に4連休があるのみで、前半に3連休、後半に4連休があった昨年と比べて良くない。消費増税による節約志向の影響もあり、国内旅行人数は2196万2千人と過去最高だった昨年より3.6%減少する見込み。しかし、過去3番目の高水準となる。
節約志向もあり国内旅行平均費用は3万4400円と4.2%の減少を予測する。JTB総合研究所が実施した3月の調査では「今欲しい物、したいと思うもの」の1位は「国内旅行」(72.9%)で、しかも昨年同時期と比較して5.2ポイント増えており、旅行への意欲は引き続き堅調だ。
宿泊予約のピークは5月3、4日という。
旅行先は、3月に開業した日本一の超高層ビル「あべのハルカス」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の人気で、大阪方面が増加する見込み。NHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」による大阪の食のイメージも後押しするという。
瀬戸内や四国も注目を集める。瀬戸内では、瀬戸内海国立公園指定80周年を記念した各種のイベントや博覧会「瀬戸内しまのわ2014」などが開催。四国では四国八十八ヶ所霊場開創1200年の各種記念事業も実施されている。
九州では「ななつ星in九州」「おれんじ食堂」「特急A列車で行こう」などの観光列車、岩手県ではお座敷列車「さんりくはまかぜ」や復興支援列車「SL銀河」、新潟県では酒をコンセプトとした列車「越乃Shu*Kura」が運行される。こうした列車を目的とした鉄道での旅行の増加が見込まれる。
海外旅行者数は、遠距離旅行がしにくい日並びや円安の進行などから11.4%減の47万4千人となる見込み。平均費用は8・1%増の24万9500円と推計される。