18、19日にメキシコのロスカボスで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会合で採択された首脳宣言に、観光振興に関する記述が盛り込まれた。G20首脳宣言が観光や旅行について触れるのは初めて。雇用創出や経済成長につながる観光の役割を確認した上で、国際観光の渡航の円滑化に向けた作業を推進することを打ち出した。
渡航円滑化に関しては、今年4月に仙台、東京で行われた世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)のグローバルサミットで、国際観光の需要喚起の障害となるような査証(ビザ)制度については改善を各国に働きかける方針が確認された。5月にメキシコのメリダで開かれた観光大臣会合(T20)の宣言にもビザ発給の円滑化を推進することが盛り込まれていた。
G20首脳宣言の観光振興について記述した部分は、「雇用創出、経済成長および開発の手段として、旅行および観光の役割を認識し、外国人の入国を管理する国家主権を認識しつつ、雇用創出、質の高い仕事、貧困削減および世界の成長を支援する渡航円滑化イニシアティブの発展に向けて作業を行う」(仮訳)となっている。