DMO 初の登録更新 観光庁、要件厳格化後まず41法人


3年経過の候補DMO 本登録審査へ

 DMO(観光地域づくり法人)の登録制度に関して観光庁は7日、2020年4月に施行したガイドライン(指針)に基づく、登録DMO(旧・日本版DMO)の初めての登録更新を実施した。指針では財務責任者(CFO)の設置など登録要件が厳格化され、3年ごとの登録更新制を導入。今回は、17年11月に第1弾として登録した41法人を審査し、全ての法人の更新を認めた。次回は、3月末の時点で更新時期を迎える29法人を対象とする。

 登録制度は、観光地域づくりの中核を担うDMOの形成、確立を目的に15年に創設された。20年10月16日時点で登録DMOは174法人。全ての要件を満たしてはいないが、正式登録が期待される候補DMOが119件に上っている。

 DMOの形成、確立を巡っては、従来の組織からの“看板の架け替え”にとどまるなど、政府の事業検証や有識者の検討会などで、組織の目的、体制、運営における課題が多く指摘されたこともあり、全国的なレベルアップを図ろうと、従来の登録要領を見直し、新たに指針を策定した。

 登録要件の厳格化では、データの収集や分析を専門とするチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の選任に加え、安定的な運営資金の確保などに取り組むCFOの設置を義務付けた。地域の合意形成に主導する仕組み、KPIの状況確認やPDCAサイクルの実施、観光資源の磨き上げや受け入れ環境整備の推進態勢なども要件になっている。

 更新制は、要件を満たさない場合の取り消し規定と合わせて導入した。初の更新となる今回は、20年11月末の時点で登録から3年が経過した41法人が対象。観光庁では、法人が提出した書類などを基に登録要件への合致を確認し、広域連携DMO5法人、地域連携DMO23法人、地域DMO13法人の計41法人全ての更新を認めた。

 指針には候補DMOについても、候補登録から3年が経過しても登録DMOに移行しない団体は取り消しとなる規定を設けた。観光庁では、20年11月末の時点で候補法人のまま3年が経過した候補DMOに対して、登録DMOへの移行を求めた。全ての要件をクリアできる法人については、1月25日が期限の登録DMOの第10弾登録への申請を呼び掛けた。一部の要件を満たせずに移行が難しい法人に対しても、すぐに取り消しにはせず、一定の経過期間を設け、観光庁が体制の整備、運営面の課題解決などを助言していく。

 観光庁は今回、3年が経過した候補DMOのうち、地域DMOの7法人の登録を取り消した。ただ、これらの法人も、要件への適応が不十分として取り消されたわけではなく、広域連携、地域連携などを理由に登録申請を見送った法人が多かったという。

 更新登録、候補の取り消しは次の通り。

 【登録DMO更新】

 広域連携DMO=北海道観光振興機構▽東北観光推進機構▽関西観光本部▽せとうち観光推進機構▽山陰インバウンド機構

 地域連携DMO=大雪カムイミンタラDMO▽釧路観光コンベンション協会▽千歳観光連盟▽ふらの観光協会▽秋田犬ツーリズム▽秩父地域おもてなし観光公社▽宮ケ瀬ダム周辺振興財団▽かながわ西観光コンベンション・ビューロー▽雪国観光圏▽とやま観光推進機構▽やまなし観光推進機構▽八ケ岳ツーリズムマネジメント▽長野県観光機構▽静岡県観光協会▽近江ツーリズムボード▽京都府北部地域連携都市圏振興社▽大阪観光局▽鳥取中部観光推進機構▽山口県観光連盟▽そらの郷▽香川県観光協会▽佐世保観光コンベンション協会▽豊の国千年ロマン観光圏

 地域DMO=阿寒観光協会まちづくり推進機構▽下仁田町観光協会▽小田原市観光協会▽金沢市観光協会▽まちづくり小浜▽阿智昼神観光局▽飛騨・高山観光コンベンション協会▽下呂温泉観光協会▽京都市観光協会▽神戸観光局▽DMOやつしろ▽高千穂町観光協会▽北谷ツーリズムデザイン・ラボ

 【候補DMO登録取り消し】

 ブナの里白神公社▽土湯温泉観光まちづくり協議会▽北杜市観光協会▽湯原観光協会▽トラベルデザイン▽仮称・小山町観光推進協議会▽串間市観光物産協会

 
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