9月の全国企業の景気DI、地方でも悪化続く


 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の9月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比1.1ポイント減の45.1で、2カ月連続で悪化した。「アベノミクス効果で景気上昇が顕著だった地方圏でも(景況の)悪化が続いている」と同社。51の業種別では、旅館・ホテルが同1.8ポイント増の46.2と、2カ月ぶりに好転した。

 10の業界別では、農・林・水産(1.2ポイント増の42.1)、不動産(0.2ポイント増の47.0)の2業界が好転し、ほかは悪化した。

 サービスは同0.5ポイント減の49.2と、2カ月連続で悪化。15の業種別では、旅館・ホテル、電気・ガス・水道・熱供給、人材派遣・紹介など6業種が好転、1業種が前月並みで、ほかは悪化した。

 製造は同1.4ポイント減の44.2と、2カ月連続で悪化。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が表れた自動車関連や、用紙やインキの値上げで収益環境が悪化している出版・印刷など、全12業種で悪化した。

 運輸・倉庫は同2.1ポイント減の43.7と、2カ月ぶりに悪化した。ドライバー不足に伴う人件費の上昇、燃料価格の高止まり、メーカーの減産による物流量の減少などで、10業界中最大の悪化幅となった。

 小売は同0.3ポイント減の37.5と、2カ月ぶりに悪化した。消費税率引き上げ後の節約志向の高まりで食費が減少傾向にあり、飲食料品小売が2カ月ぶりに悪化した。
 10の地域別では、九州(0.1ポイント増の46.0)のみが好転し、ほかは悪化した。

 四国は同0.7ポイント減の44.2と、3カ月連続で悪化。高速道路の割引縮小や、夏の台風と豪雨による観光客減少の影響が続き、10業界中7業界で悪化した。県別では、南海トラフ地震対策の公共工事が堅調な高知の全国順位が5位になる一方、徳島と愛媛が30位台にとどまるなど地域内で景況感が二分している。

 中国は同1.9ポイント減の44.5と、2カ月連続で悪化。8月の豪雨に伴う土砂災害が木造建築工事などに悪影響を及ぼした。

 先行きの景況感として「海外の観光客増加による利益増が期待できる」(旅館)、「東京オリンピック開催への施設整備等で都内および近郊の建設が確実に出てくる」(産業廃棄物収集運搬)とする一方、「急激な円安になじまないうちに、追い打ちをかけるように消費税が10%になれば、中小企業は資金繰りが圧迫されるであろう」(事業サービス)と、その行方を懸念する声もある。

 
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