観光庁は11月24日、GoToトラベル事業に登録する全ての宿泊施設を対象に実施した新型コロナウイルスの感染対策に関する現地調査の結果をまとめた。2万軒を超える施設のうち、9割以上が3密対策などを確実に実施していることを確認した。対策が不十分だった一部の施設には個別に改善を指導し、ビュッフェ形式での飲食にかかわる対策など、特に問題があった施設には再調査を実施する予定。
9月7日までに事業に参加登録した2万3245施設をGoToトラベル事業の事務局、地方運輸局の担当者などが訪問して調査した。9割以上の施設では、旅行者への検温の実施、客室の清掃や消毒などの感染拡大防止策、飲食スペースなどでの3密対策が確実に実施されていた。
一部の施設は対策が不十分と判断し、改善を指導した。指導対象の事例は、大浴場の更衣室で利用するロッカー間の間隔が確保されていなかった▽ビュッフェ形式の飲食提供時におけるトングや取り箸の交換頻度が低かった▽公的書類による本人確認が実施されていなかった▽館内での掲示や文書配布など、旅行者向けの「GoToトラベルのご利用に当たっての順守事項」の周知が行われていなかった―など。
観光庁では、感染リスクが高いと考えられるビュッフェなどでの対策が不十分だった施設や調査項目の半数以上に問題があった施設を対象に2次調査を実施する。改善が見られない場合は登録の取り消しを含めた対応を検討する。9月8日以降に事業に登録した宿泊施設については12月中に調査を行う予定。
観光庁が示す対策の好事例の一部は次の通り。
フロントなどでアルコール消毒液入りのスプレーを配布▽接触確認アプリのインストール案内文書を配布▽女将手作りの安心宣言ファイルを客室に設置(配布・使い捨ての資料、デジタル化がなおよい)▽ビュッフェ会場にビニール手袋や手指の消毒液を設置▽タブレットや掲示板による大浴場の利用者数の見える化▽従業員のネームプレートに当日の体温を明記