日本政策金融公庫総合研究所がこのほど行った「経営者の引退と廃業に関するアンケート」で、引退廃業者(2020~23年廃業)の9割超が「後継者を探すことなく事業をやめた」と答えている。コロナ後に廃業を決めた経営者でも、9割近くがコロナ前から自分の代で廃業を決めていた。
調査は今年7月、経営者の事情を理由に廃業した企業の45歳以上の元経営者にインターネットで行った。有効回答数は271件。業種別では、「専門・技術サービス業」が22.1%と最も多く回答し、このほか小売業が11.4%、宿泊業・飲食サービス業と運輸業が共に6.6%、生活関連サービス業・娯楽業が5.9%など。
後継者の検討状況は、「後継者を探すことなく事業をやめた」が95.9%。「後継者にふさわしい人を探したが見つからなかった」(2.6%)、「後継者は決まっていたが事情により承継できなくなった」(1.1%)、「後継者にしたい人はいたが承諾してくれなかった」(0.4%)はわずかだった。
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